鬼・雷神・陰陽師
発売日
2004年04月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-63598-9

鬼・雷神・陰陽師
古典芸能でよみとく闇の世界

著者 福井栄一著 《上方文化評論家》
主な著作 上方学』(PHP研究所)
税込価格 836円(本体価格760円)
内容 陰陽師・安倍晴明、雷神と化した菅原道真、鬼を退治した渡辺綱。古典芸能に伝わる「もののけ」から日本人の心の深層にある闇の世界を読む。



 古来、日本人は鬼や怨霊といった「もののけ」の存在を信じ、語り継いできた。そして、それらは能や狂言、歌舞伎、舞などの芸能の中で、恰好のモチーフとなった。本書は、そのような舞台に登場する「もののけ」をみることで、日本人の心の深層に広がる闇の世界をよみとく。

 陰陽道(おんみょうどう)を駆使して平安京の悪霊に立ち向かった陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)。雷神と恐れられつつも、「天神さん」として親しまれ、信仰の対象となった菅原道真(すがわらのみちざね)。酒呑童子(しゅてんどうじ)や茨木童子(いばらきどうじ)などの鬼退治で名を馳せた源氏の郎党・渡辺綱(わたなべのつな)。人間社会と闇の世界との境界にいた彼らは、どのように演じられてきたのか、そして今なお観客を魅了するのはなぜか。

 ユニークな視点から芸能文化を探究する新時代の語り部が、跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する「もののけ」たちの世界にいざなう。