歴史街道
発売日
2025年12月5日
税込価格
840円
(本体価格764円)
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歴史街道 2026年1月号

今月号の読みどころ

今月の特集1は、
〈ペリリュー島の戦いの真実――戦後も続いた死闘の果てに〉です。

「2,3日で片付く」
太平洋戦争中、米軍の精鋭部隊は、日本軍が守るペリリュー島を前にして、こう豪語したといいます。
しかし、その見通しはもろくも崩れます。島を要塞化した日本軍が頑強に抗戦したからでした。
その結果、昭和19年(1944)9月15日に始まった戦闘は、74日間の長きに及びました。
それだけではなく、日本兵は指揮官の死後も、そして終戦後も、戦うことをやめませんでした。
およそ一万人の日本兵が命を散らした、凄絶な戦いの全容に迫ります。
『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』の作者・武田一義先生のインタビューも掲載。

特集2は、〈戦国九州の傑物・龍造寺隆信〉。
戦国武将・龍造寺隆信は勇猛なイメージがありますが、実はその素顔はというと……。
国衆の傍流という出自から、大友家と島津家に並ぶ「九州の三強」に昇りつめた男の実像に光を照らします。

特別企画は、〈研究者が評価したい「幕末の人物10選」〉。
多彩な人物を輩出した幕末において、真に評価すべき人物は誰なのでしょうか?
幕末史研究を牽引する町田明広氏が10人を選び、その役割を明らかにします。
あなたの推す人物は果たして……。

公式サイト
今月号の目次
特集1 ペリリュー島の戦いの真実
【総論】
日本人が知っておくべき激戦の全体像
平塚柾緒
14p
戦略で読み解く――
“死の島”を出現させた日米の錯誤
大木 毅
26p
「これなら、持久戦に持ちこめる」
指揮官・中川州男の意図とは
松田十刻
32p
十一月二十四日の中川の決断、そして二十七日へ
秋月逹郎
39p
終戦したことを知らずに…
残存兵たちの“終わらない戦争”
将口泰浩
45p
玉砕の島から生還した兵士たちが語る「敗残の九百日」
平塚柾緒
50p
COLUMN
島に伝わる“日本の女性兵”

21p
VISUAL1
地図と年表でたどる激戦の軌跡

22p
VISUAL2
映画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』で描かれる“ある日本兵”の視点

24p
好評連載
漫画家に聞く!
特別編 武田一義 戦場に置かれた「普通の若者」を描く

54p
特集2 戦国九州の傑物・龍造寺隆信
国衆から九州三強の一角へ――
肥前からのし上がった男の軌跡
中村知裕
88p
尽くした主家に裏切られ…
還俗して曾祖父とともに決起す
佐々木 功
94p
“即断”を振りかざして乱世を駆け抜けた男の最期
谷津矢車
99p
特別企画 研究者が評価したい「幕末の人物10選」
研究者が評価したい「幕末の人物10選」
町田明広
61p
巻頭グラビア
この人に会いたい
vol.218
板垣李光人 中村倫也
7p
連載小説
長屋のくノ一
4 第2話 くノ一変態(2)
風野真知雄
77p
古代史連載
問わず語り「日本書紀」
第5回 高句麗との十七年戦争から見えてくるもの
大平 裕
58p
隔月連載
歴史こぼれ話 日本海海戦を転機とした男たち
第10回 出羽重遠――会津出身で初めて海軍大将になった斬り込み隊長

60p
読み物
将軍さまより庶民のほうが贅沢!?
江戸の朝ごはん事情
今川美玖
104p
連載 ほか
巻末グラビア 時代の荒波を生きた 世界のクイーン&プリンセス
第12回 カトリーヌ・ド・メディシス
菊池昌彦
114p
歴史街道伝言板

70p
BOOKS・TOPICS
私の一冊(木下昌輝)

72p
この著者に注目!
海野 聡

74p
歴史街道脇本陣

111p
年間購読のご案内

108p
読者アンケートのご案内

109p
次号予告!

110p
表紙画・表紙のことば
ペリリュー島戦雑感
黒鉄ヒロシ
3p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。