雑誌
Voice 2014年11月号
今月号の読みどころ
「権力は腐敗するから批判する」のがジャーナリズム。しかし、『朝日新聞』は「安倍政権は保守的だから批判する」のではないか。「原発はけしからん」から、東京電力を貶めようとする。常にオピニオンがあって、それに都合のよい事実(ファクト)のみを寄せ集め、記事として発信する。社会をよい方向に導いていこうとの気負いかもしれないが、傍から見ていると読者を洗脳しているようにしか思えない。偏差値エリートの多い新聞社ゆえ、啓蒙的で「上から目線」は避けられないのか。最近、もう一つ許せないのが消費税増税論議だ。財政再建がわが国の喫緊の課題であることは承知しているが、景気を殺してまで急ぐ必要があるのか。橋本龍太郎政権と同じ道を辿るのではないかと心配になる。一般会計は膨らみ続けているが、歳出カットの話は聞かない。増税の前にやるべきことはあるはずだ。
今月号の総力特集は、「さよなら朝日、ストップ増税」。渡部昇一氏と養老孟司氏は、「記者と官僚の『バカの壁』」との対談で朝日新聞社と財務省の体質を「秀才集団の危機」と評している。自分の考えにこだわり、多角的な視点から適切な判断を下せないエリートたちを斬って捨てる。朝日記者の「スタンス先行」を批判するのは、同じ新聞記者の長谷川幸洋氏だ。新聞社のスタンスや政治的立場は社説やオピニオン面にとどめ、記事は事実に徹するべきだというのが氏の主張だ。「政権と戦う、権力と戦う、それがジャーナリズム」と記者たちが思っているから、「スタンス先行病」に陥るという。朝日OBの川村二郎氏は、自身の記者経験をもとに販売店に支えられている新聞社の感動的なエピソードを紹介する。そのうえで、解体的な出直しの必要性を説いた。また、消費税増税延期論を唱えるのが若手論客の片岡剛士氏である。「経済成長に配慮した実行可能性の高い財政再建スケジュールを再設定することが急務」だとし、「社会保障制度改革に本腰を入れること」を安倍政権に求めている。
第二特集はウォン高に苦しむ韓国企業の現状を分析した「崖っぷちの韓国」。長谷川慶太郎氏と渡邉哲也氏は、サムスン電子の業績低迷を象徴的に論じ、中国に技術的にキャッチアップされた韓国企業の悲劇を論じた。石平氏は、中国経済の史上最大規模の不動産バブル崩壊を予見し、日本企業はもとより、対中依存度を高める韓国経済の先行きを懸念する。そうなると、韓国経済が「フィンランド化」(ノキアの没落に伴う国家経済の落ち込み)し、韓国の対日擦り寄りが始まると読むのは室谷克実氏だ。しかし、自国では散々「反日」教育をやっておきながら、日本の「嫌韓」を批判している現状では、関係改善は一歩も進まないだろう。
巻頭インタビューは、いま最も注目を集めるノンフィクション作家の門田隆将氏である。一連の『朝日新聞』の報道姿勢を「『朝日』のみならず戦後ジャーナリズムが陥っている偽善」だとし、9月11日の木村伊量社長による謝罪記者会見を「ジャーナリズムの転換点」と位置付けた。インターネットが発達し、誰もがオピニオンを受発信できる時代のメディアのあり方が問われているのかもしれない。
今月号の総力特集は、「さよなら朝日、ストップ増税」。渡部昇一氏と養老孟司氏は、「記者と官僚の『バカの壁』」との対談で朝日新聞社と財務省の体質を「秀才集団の危機」と評している。自分の考えにこだわり、多角的な視点から適切な判断を下せないエリートたちを斬って捨てる。朝日記者の「スタンス先行」を批判するのは、同じ新聞記者の長谷川幸洋氏だ。新聞社のスタンスや政治的立場は社説やオピニオン面にとどめ、記事は事実に徹するべきだというのが氏の主張だ。「政権と戦う、権力と戦う、それがジャーナリズム」と記者たちが思っているから、「スタンス先行病」に陥るという。朝日OBの川村二郎氏は、自身の記者経験をもとに販売店に支えられている新聞社の感動的なエピソードを紹介する。そのうえで、解体的な出直しの必要性を説いた。また、消費税増税延期論を唱えるのが若手論客の片岡剛士氏である。「経済成長に配慮した実行可能性の高い財政再建スケジュールを再設定することが急務」だとし、「社会保障制度改革に本腰を入れること」を安倍政権に求めている。
第二特集はウォン高に苦しむ韓国企業の現状を分析した「崖っぷちの韓国」。長谷川慶太郎氏と渡邉哲也氏は、サムスン電子の業績低迷を象徴的に論じ、中国に技術的にキャッチアップされた韓国企業の悲劇を論じた。石平氏は、中国経済の史上最大規模の不動産バブル崩壊を予見し、日本企業はもとより、対中依存度を高める韓国経済の先行きを懸念する。そうなると、韓国経済が「フィンランド化」(ノキアの没落に伴う国家経済の落ち込み)し、韓国の対日擦り寄りが始まると読むのは室谷克実氏だ。しかし、自国では散々「反日」教育をやっておきながら、日本の「嫌韓」を批判している現状では、関係改善は一歩も進まないだろう。
巻頭インタビューは、いま最も注目を集めるノンフィクション作家の門田隆将氏である。一連の『朝日新聞』の報道姿勢を「『朝日』のみならず戦後ジャーナリズムが陥っている偽善」だとし、9月11日の木村伊量社長による謝罪記者会見を「ジャーナリズムの転換点」と位置付けた。インターネットが発達し、誰もがオピニオンを受発信できる時代のメディアのあり方が問われているのかもしれない。
公式サイト |
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今月号の目次
巻頭インタビュー 戦後ジャーナリズムの偽善を暴く |
門田隆将 |
18p |
総力特集:さよなら朝日、ストップ増税
記者と官僚の「バカの壁」 |
渡部昇一/養老孟司 |
38p |
朝日の間違いは何だったのか |
長谷川幸洋 |
50p |
求められる解体的出直し |
川村二郎 |
58p |
反日記事の原点 |
水間政憲 |
68p |
「アベノミクス・マーク2」のすすめ |
片岡剛士 |
74p |
小泉総理なら3分で止められる |
上念 司/倉山 満 |
82p |
特集:崖っぷちの韓国
中国スマホに勝てないサムスンの悲劇 |
長谷川慶太郎/渡邉哲也 |
92p |
死期の中国経済 共倒れの韓国経済 |
石 平 |
104p |
「日本沈没」から「韓国沈没」へ |
室谷克実 |
112p |
コリア半島の魂の叫び |
宮家邦彦 |
120p |
|
||
共産主義者ノーマンの害毒 |
岡部 伸 |
139p |
地方を創生するのは誰か 続・中核層の時代に向けて |
谷口将紀 |
150p |
王者になるための闘い方 |
木村 悠 |
162p |
東京オリンピックと過剰なたばこ規制 |
溝呂木雄浩 |
184p |
日中首脳会談は実現するか 迷走する習近平外交 |
矢板明夫 |
130p |
新世代の流儀 「今期は黒字にしなければならないから、みたいな考え方こそナンセンス」 |
島田潤一郎/取材・構成:木村俊介 |
169p |
ニッポン新潮流〈国内政治〉 危惧される「地方創生」の行方 |
菅原 琢 |
30p |
ニッポン新潮流〈経済政策〉 外堀を埋められた増税派 |
飯田泰之 |
32p |
ニッポン新潮流〈生活社会〉 ALSアイスバケツチャレンジは問題か |
山形浩生 |
34p |
ニッポン新潮流〈科学医療〉 デング熱を「正しくこわがる」必要性 |
最相葉月 |
36p |
テロリスト・安重根〈第9回〉 中国・韓国への旅 |
早坂 隆 |
194p |
乙武洋匡、世界の大使に会いに行く〈最終回〉 世界の制度が日本の問題を解決する |
乙武洋匡 |
206p |
武士の碑〈第14回〉 城東会戦 |
伊東 潤 |
214p |
覚醒するクラシック〈第17回〉 ピアノソナタ・ロ短調 |
百田尚樹 |
229p |
巻頭言〈11〉 朝日新聞攻撃の「ムラ社会」的構造 |
小浜逸郎 |
15p |
私日記〈第179回〉 死んだはずの人の後半生 |
曽野綾子 |
234p |
平成始末〈第59回〉 尾崎放哉の魅力 |
山折哲雄 |
246p |
朝日を叱る [反日記事の原点] |
構成/水間政憲 |
6p |
「凛たる女性」〈47〉 [樋口麻美] |
撮影/遠藤 宏 |
9p |
|
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Keyフレーズ 時代を斬る!論点 |
1p |
|
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
243p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。