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Voice 2022年3月号
今月号の読みどころ
昨年の東京オリンピックと同様、コロナ禍での開催となった北京五輪。選手たちの健闘を祈らずにいられないが、一方で今大会の開幕が近づくにつれて、国際社会でテーマになったのが、いわゆる「外交的ボイコット」であった。中国国内で起きている人権に関する諸問題は、あらためて説明するまでもない。各地における弾圧や香港での民主派の粛清、そして中国国内で相次ぐ「失踪」。自由や民主主義、そして法の下の平等を守るべき価値観とする日本は、そうした問題を抱える中国とどのように向き合うべきか。あらためて注目されている「人権外交」の意味と意義、日本の針路を8人の識者とともに考える。現在の国際秩序を考察しながら、「価値観」の柱を立てて中国と対峙するべきと唱える中西輝政氏の論稿や、ブッシュ政権時代にパウエル国務長官の補佐役を務めたリチャード・ハース氏の中国論や台湾問題への提言は必読。また、今号では林芳正外務大臣と筒井清忠・帝京大学教授の巻頭対談も掲載。歴史から学ぶ対中外交の要諦を存分に語り合う。特別企画は「真の脅威は『オミクロン株』か」。新型コロナウイルスのオミクロン株が流行するいま、私が向き合うべき「真の脅威」を考える。カーボンニュートラルをテーマにした湯﨑英彦・広島県知事と出雲充・ユーグレナ社長の特別対談も掲載。
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今月号の目次
総力特集:北京五輪と人権外交
「新しい現実主義」で習近平と対峙せよ |
中西輝政 |
38p |
「チャイナ・ファースト」は終わらない |
リチャード・ハース |
52p |
恣意性なき人権外交の展開を |
市原麻衣子 |
62p |
中国共産党の圧政を座視するのか |
阿古智子 |
70p |
欧州、対中関係における価値の模索 |
鶴岡路人 |
78p |
「台湾有事」は十分に抑止できる |
小笠原欣幸 |
88p |
五輪をも閉じ込めるゼロコロナ政策 |
高口康太 |
98p |
米中対立下のサプライチェーン・リスク |
猪俣哲史 |
106p |
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歴史が示す対中外交の教訓 |
林芳正&筒井清忠 |
18p |
特別企画:真の脅威は「オミクロン株」か
新変異株は「終わりの始まり」か |
黒木登志夫 |
114p |
ウイルス防御の鍵はキラーT細胞だ |
藤井眞一郎 |
124p |
「心の不安」への対策を怠るな |
原田隆之 |
132p |
新たな変異株を生まない国際支援 |
國井 修 |
140p |
連載 ほか
ウクライナ危機と「米国後」の地政学 |
杉田弘毅 |
148p |
データで見る「夜の街」の縮減 |
荒井紀一郎 |
156p |
岸田政権の「弱い賃上げ政策」を補強せよ |
山田 久 |
198p |
泥沼化した韓国大統領選の深層 |
牧野愛博 |
205p |
【広島県未来対話・後編】 「日本型カーボンニュートラル」を広島から |
湯﨑英彦&出雲 充 |
166p |
天才の光と影―異端のノーベル賞受賞者たち―〈1〉 フリッツ・ハーバー |
高橋昌一郎 |
184p |
言葉のリハビリテーション〈9〉 何もしない勇気 |
森田真生 |
192p |
「考えること」を許さない日本の職場 |
太田 肇 |
212p |
人の弱さを癒やす「見えない力」 |
三宅 健 |
220p |
令和の事業家 脳神経学がつくる好奇心ドリブン |
青砥瑞人 |
228p |
著者に聞く 失われた「本心」を求めて |
ryuchell |
232p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 赤い大統領夫人〈その一〉 |
渡辺惣樹 |
28p |
ニッポン新潮流〈政治外交〉 基地は誰のもの? |
三浦瑠麗 |
30p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 「民間水準の神話」から脱却せよ |
西田亮介 |
32p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 「母の家」を設計する |
藤村龍至 |
34p |
歴史家の書棚〈21〉 中原幹彦『西南戦争のリアル 田原坂』 |
奈良岡聰智 |
240p |
人生の道しるべ あなたの悩みに答えます〈7〉 急に訪ねてくる姑が迷惑 |
森本あんり |
236p |
巻頭言〈15〉 生命とは何か、その連続性 |
長谷川眞理子 |
15p |
文明之虚説〈51〉 台湾統一は成功するか |
渡辺利夫 |
246p |
今そこにある近代〈17〉 御影公会堂 |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈15〉 世界でも稀有な改葬儀礼 |
写真・文/佐藤健寿 |
6p |
令和の撫子〈34〉 志村珠妃 |
撮影/川島伸一 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
243p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。