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Voice 2023年3月号
今月号の読みどころ
ロシアがウクライナを侵攻してから1年が経とうとしているが、わが国では昨年12月、防衛力強化に向けた三つの文書が改定された。「反撃能力」の保有を明記するなど、戦後の安保政策を大きく転換する画期だが、財源を巡る議論などは紛糾した。本来ならば、いまこそ「日本をいかに守るか」という観点から、国のかたちも含めて大局的に議論するべきではないか。安保三文書改定への評価から、国防の議論の急所を考える。歴史を紐解きながら国家安全保障戦略を読み解く兼原信克氏や、安保三文書を徹底解剖する千々和泰明氏の論考のほか、元米国大統領補佐官のH・マクマスター氏と米ハドソン研究所研究員の村野将氏の特別対談は必読だ。特集2は「SNS禍を乗り越える」。影だけではなく光も含めて、SNSとの向き合い方をあらためて考える。巻頭には、野田佳彦元総理と先崎彰容氏の大型対談を掲載。政治の劣化と言葉の大切さ、野党が果たすべき役割、さらには国防についてなど、多岐にわたるテーマを議論いただいた。
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今月号の目次
特集1:国防の責任
戦略的思考に目覚めた日本 |
兼原信克 |
42p |
世界が見習うべき「責任ある一歩」 |
ハーバート・マクマスター&村野 将 |
52p |
安保三文書を徹底解剖する |
千々和泰明 |
62p |
戦争の基本構造は昔と変わらない |
兵頭二十八 |
70p |
「青写真なき防衛産業」がアキレス腱 |
細川昌彦 |
78p |
「防衛増税」が吹かせる解散風 |
清水真人 |
86p |
なぜドイツは「大転換」したのか |
熊谷 徹 |
94p |
巻頭対談 政治は言葉を取り戻せるか |
野田佳彦&先崎彰容 |
18p |
特集2:SNS禍を乗り越える
「ネトウヨ的な言説」に遭遇する人 |
秦 正樹 |
130p |
二つの占拠事件から見えるもの |
若江雅子 |
140p |
増幅する「寂しさ」との付き合い方 |
谷川嘉浩 |
148p |
報道ベンチャーがつくる共助の仕組み |
米重克洋 |
156p |
連載 ほか
日本が「世界の最前線」に立つ理由 |
ノア・スナイダー |
112p |
将来世代に経済負担を課す岸田政権 |
木内登英 |
120p |
「歴史観」を養うための読書 |
山内昌之 |
164p |
民主主義はなぜ世界に広まらないのか |
原田 泰 |
210p |
特別対談 専守防衛と非核三原則から脱却を |
河野克俊&三浦瑠麗 |
102p |
考えさせたい大人、答えが欲しい若者〈1〉 とにかく正解を求める若者たち |
金間大介 |
202p |
地政学的要衝研究会〈13〉 海洋国家の命運を握る南太平洋 |
関口高史 |
184p |
コロナ下の夜の街〈終〉 小さなオデュッセウスの帰還 |
谷口功一 |
194p |
日本代表「W杯ベスト8突破」の鍵 |
結城康平 |
218p |
嗜好品が支える精神の健康 |
松本俊彦 |
224p |
著者に聞く 「妄想力」という日本人の強み |
久保(川合)南海子 |
232p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 不思議な男:バラク・オバマ〈その1〉 |
渡辺惣樹 |
32p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 実態と認識が乖離するコロナ禍 |
西田亮介 |
34p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 磯崎新が遺した問い |
藤村龍至 |
36p |
地域から日本を動かす〈11〉 小泉八雲と妻セツの物語 |
結城豊弘 |
38p |
令和の人文アニメ批評〈7〉 『THE FIRST SLAM DUNK』 |
渡邉大輔 |
236p |
歴史家の書棚〈33〉 『三笠宮崇仁親王』 |
奈良岡聰智 |
240p |
巻頭言〈27〉 進化をめぐる誤解 |
長谷川眞理子 |
15p |
文明之虚説〈63〉 安保三文書と福澤諭吉 |
渡辺利夫 |
246p |
今そこにある近代〈29〉 アンパンマンミュージアム |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈27〉 ジャングルに君臨した世界最大の電波望遠鏡 |
写真・文/佐藤健寿 |
6p |
令和の撫子〈46〉 中田花奈 |
撮影/吉田和本 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
243p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。