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Voice 2023年4月号
今月号の読みどころ
パンデミックの後遺症と戦争の余波もあり、2022年の世界経済は混迷をきわめた。世界はインフレに襲われ、年末年始には「ピークは越えた」との声も聞こえたが、依然として予断を許さない。日本では4月から日本銀行が新体制を迎えるなど転機となるタイミングに、グローバル・インフレの行方やアメリカの金融政策の影響、中国とASEANが築いた一大経済圏の現在、さらにはエネルギーやESGなどの観点から、世界経済の「リアルとリスク」を読み解く。巻頭には4月1日に社名変更を控える日本電産の永守重信会長兼CEOの独占インタビューを掲載。特集2では、ロシア軍の侵略開始から1年が経過したいま、ロシア=ウクライナ戦争と国際秩序のこれまでと現在を問い直す。ウクライナ人研究者であり作家のオリガ・ホメンコ氏にも、ウクライナ人にとっての「故郷」と「国境」をテーマに寄稿いただいた。そのほか、SNSでの積極的な発信でも話題を集めるティムラズ・レジャバ・ジョージア大使の特別インタビューを掲載するほか、今号より筒井清忠氏の大型連載「近代日本暗殺史」が開始する。
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今月号の目次
特集1:世界経済、リアルとリスク
日本は「稼ぐ力」を取り戻せるか |
野口悠紀雄 |
38p |
人類を襲う悲劇的な未来 |
ヌリエル・ルービニ |
48p |
世界的インフレはなぜ起きたか |
磯山友幸 |
56p |
米国発の金融危機再来に備えよ |
浪川 攻 |
64p |
チャイナ・ASEANの変質と加速 |
邉見伸弘 |
72p |
経済リスクを示し続けるESG |
夫馬賢治 |
81p |
戦争が変えたエネルギーの世界絵図 |
岩瀬 昇 |
88p |
植田日銀でデフレに勝てるのか |
柿埜真吾 |
96p |
特集2:ウクライナ侵略戦争の1年
米英の「ひ弱さ」が招いた露の膨張 |
細谷雄一 |
122p |
欧州を激変させる戦争 |
鶴岡路人 |
130p |
これから始まる「負荷試験」 |
大木 毅 |
138p |
インドの「継続」と「変化」を読む |
笠井亮平 |
145p |
歴史と感情が国際政治を動かす |
吉田 徹 |
152p |
世界は戦争をどう報じたか |
豊島晋作 |
159p |
ウクライナ人にとっての故郷と国境 |
オリガ・ホメンコ |
166p |
連載 ほか
巻頭インタビュー 日本電産、50年目の決断と覚悟 |
永守重信 |
18p |
特別寄稿 公共人材確保法を整備せよ |
松井孝治 |
112p |
世界に誇るべき日本人投手の実力 |
吉井理人 |
216p |
ジョージアは日本のパートナー |
ティムラズ・レジャバ |
104p |
近代日本暗殺史 【明治(前編)】紀尾井坂の変、板垣退助岐阜遭難事件 |
筒井清忠 |
184p |
考えさせたい大人、答えが欲しい若者〈2〉 若手が求める理想の上司像とは |
金間大介 |
198p |
なぜ彼らは「信仰」するのか |
最相葉月 |
208p |
「ルッキズム」からの精神的な解放 |
星野 太 |
224p |
著者に聞く 文体に宿る世界観の相違 |
平尾昌宏 |
232p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 不思議な男:バラク・オバマ〈その2〉 |
渡辺惣樹 |
28p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 本当に「異次元」の「少子化対策」か |
西田亮介 |
30p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 第二次安倍政権以後の都市設計 |
藤村龍至 |
32p |
地域から日本を動かす〈12〉 大分県に根づく平松イズム |
結城豊弘 |
34p |
令和の人文アニメ批評〈8〉 『東京リベンジャーズ』 |
渡邉大輔 |
236p |
歴史家の書棚〈34〉 君塚直隆『貴族とは何か』/村上紀史郎『陸軍大将・前田利為』 |
奈良岡聰智 |
240p |
巻頭言〈28〉 「良い人」とは何か |
長谷川眞理子 |
15p |
文明之虚説〈64〉 韓国の「新しき両班(ヤンバン)」 |
渡辺利夫 |
246p |
今そこにある近代〈30〉 金刀比羅宮の高灯籠(たかどうろう) |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈28〉 奇妙な歴史に彩られた奇妙な要塞 |
写真・文/佐藤健寿 |
8p |
令和の撫子〈47〉 桜庭ななみ |
撮影/キムラタカヒロ |
11p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
243p |
|
Voiceeレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。