歴史街道
発売日
2011年9月6日
税込価格
660円
(本体価格600円)
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歴史街道 2011年10月号

今月号の読みどころ

生涯70余度の合戦に臨み、43勝2敗25引き分け、勝率9割5分、しかも大敗は一度もなしという武将がいました。越後の龍、また毘沙門天の化身とも呼ばれた上杉謙信です。神懸り的な強さもさることながら、彼は他の武将とは全く価値観が異なっていました。すなわち己の利のためには戦わず、筋目、つまり「義」のためにのみ戦うのです。宿敵の一人、北条氏康はこう語ります。「信玄や信長は表裏常なく、頼むに足りぬが、謙信のみは請け合ったら骨になっても義理を通す」。また武田信玄は臨終の際、こう遺言します。「わしの死後は謙信を頼れ」。己の信じるものを断じて曲げず、それゆえ敵にすらも信頼された謙信の、無類の強さの秘密を探ります。第二特集は「兵学者・吉田松陰」です。

公式サイト
今月号の目次
関心、謹慎、軍神、謙信、渾身
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい vol.57
渡辺 謙
7p



【総力特集】毘沙門天の化身 上杉謙信 「生涯無敗」の強さを生んだもの
総論
軍神を奉じ「信義」に生きた時、悩める男は最強武将となった
童門冬二
14p
ビジュアル1
毘沙門天、降臨! 霧の川中島

20p
ビジュアル2
落城目前! 十一万余の軍勢で、小田原城を追い詰める

22p
ビジュアル3
かくして軍神と化す! 愛用の武具の数々

24p
ビジュアル4
いざ出陣! 荘厳なる戦勝祈願の「武?式」

26p
「われは毘沙門天の化身なり」時代に選ばれた大器、越後統一へ
梓澤 要
28p
コラム1
「我なくば毘沙門天もありえない」謙信の自負

33p
「義」のみでは人は動かぬ…家臣の離反と葛藤の中でつかんだもの
江宮隆之
34p
関東管領就任! 大義を掲げ、十一万の軍勢で小田原城に攻め寄せる
江宮隆之
40p
コラム2
運は天にあり…戦陣に臨む覚悟

45p
ビジュアル5
関東管領の旗の下に集った関八州の武者たち

46p
「信玄、参る!」懸り乱れ龍の旗を翻し、一挙に武田本陣を衝く
永岡慶之助
48p
人生年表

53p
三国峠を越えて戦うこと三十七度…あくまで関東平定を目指して
花ヶ前盛明
54p
ビジュアル6
七十度の合戦で大敗なし! 最強武将の生涯戦績

60p
「ならば追撃するまでよ」怒濤と化した越後勢、織田軍を粉砕す
秋月達郎
62p



学校を創立した実業家たち

70p
きまぐれ探検 昭和なスケッチ
第17回 竹ノ塚界隈
本山賢司
74p



【特集】兵学者・吉田松陰 ――未曾有の国難に「兵法の理」で挑む
欧米列強の脅威に「兵法の理」で立ち向かった男
森田吉彦
78p
ビジュアル 長崎、熊本から津軽まで…実地検分と識者に会う旅

84p
九州、江戸湾、東北…実地踏査のために脱藩も辞せず
楠戸義昭
86p
黒船密航、松下村塾の飛耳長目…あくまで兵学者を貫く
松田十刻
90p
【年表】 兵学者・松陰の足跡

94p



風船爆弾の真実
第2回 風船兵器の製造、始まる
吉田一彦
95p
[連載小説]真田昌幸 連戦記 第20回
我、六道を懼れず
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・CINEMA

112p
この著者に注目!
西牟田靖

114p
駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人
第7回 忍び寄る共産主義
太田尚樹
116p
一泊二日でまわる 世界遺産「古都奈良の文化財」
田中次郎
122p
明治・大正の古写真に見る 東京・お茶の水界隈
平塚七郎
128p
歴史街道クイズ 「戦国検定!」

132p
歴史街道・ロマンへの扉
岸和田
鶴田純也
134p
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒
第15回 長崎県 茶碗蒸し
石田 千
136p
続・自転車紀行 シルクロードをゆく
第9回 テヘランからラムサールへ
長澤法隆/写真・文
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。