頁数/仕様
200ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版
2013年5月
在庫
在庫あり

物と心をスッキリ身軽に!
「生前整理」で幸せな老いじたく

老後はシンプルに楽しく生きましょう。死ぬまでに必ずしておきたい“片づけ”の方法をプロが伝授! 思い出、写真、人間関係など、片づけにくいものがラクに片づけられます。
著者(肩書) 大津たまみ《株式会社アクションパワー代表》
主な著作
編集等
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 一般
頁数/仕様 200ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版 2013年5月

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はじめに
~自ら集めた物は自ら整理する!~

「自分ではできない最後の片づけは何でしょうか……?」
私が主催する片づけ講座の受講生の方にこんな質問をしてみました。
答えは……そう、遺品整理です。

私は、お掃除・お片づけの会社、株式会社アクションパワーを名古屋で起業しました。起業した当初は、まさか自分が遺品整理の仕事に携わるとは思ってもみませんでした。しかし、使命のごとく多くのお客様の遺品を整理させていただく機会を得ることになりました。
遺された家族の悲鳴にも似た言葉が耳の奥に残っています。
「こんなにたくさんのガラクタを集めて……」
最愛の人であった家族が、遺された荷物の処分に苦しんでいます。

遺品整理は大往生をされた方の場合だけではありません。ある日、突然天国に逝かれた方のお荷物を整理させていただくこともあります。

そんないのちのゴールを日本全体で感じた出来事がありました。そうです、2011年3月11日に起きた東日本大震災です。
その被害の深刻さは、みなさんもご記憶のことと思います。被災地の状況を伝える報道を見ながら、思わず絶句していました。一瞬にして大切な人や物が失われていく光景は、まさに戦慄そのもの。言葉では表せないほどのすさまじさがありました。
いつまでも続くと思われたいのちが、ほんの一瞬で失われる。そのことを日本人全員が痛感した出来事ではなかったでしょうか。みなさんのなかにも、きっと同じ思いを抱いた方がいるはずです。

今回この本を書く強い引き金となったのが、片づけを通じて「いのち」のことを深く考える機会を得ることはできないかと思ったからです。
いのちを意識するということは、つまり「死」を意識すること。そして、死を考えることは、「生きているうちにしておかなくてはならないこと」を考えて実行することにつながっていきます。
遺品整理という仕事を通してつくづく思うのは、自ら集めた物は自らが生きているうちに本人がきっちり整理しておく必要があるということ。
この場合は、本人がまだ生きているので「遺品」というのはおかしいかなと思い、「生前整理」という言葉を使うことにしました。
いのちがずっと続くものではないことをリアルに感じると、生前整理の必要性もまたリアルに感じます。すぐにでも行動を起こしたくなるはずですし、またそうあってほしいと私は考えています。

この本では、その生前整理に関しての考え方や実践の仕方などをお伝えしていきます。そこでは、私がこれまで仕事を通して培ってきた「片づけ力」の考えやノウハウがベースになっています。
片づけ力とは、単に部屋の中を片づけるノウハウではなく、片づけを通して頭と心をスッキリさせ、人生そのものを幸せにする力のことです。
生前整理とは、言ってみれば究極の人生の片づけ。その片づけを通して、人生はよりよいものになっていくのです。

さあ、生前整理という名の「人生の棚卸し」を始めましょう!

【第1章】思い出の物を片づけてみましょう
(1)片づけを通して、人生にけじめをつける
・裕福な家庭ほど遺品整理にもめる理由って?
・「思い出」と「物」との引っ張り合い
・究極の片づけは、人生にカタをつけること

(2)時間を整理して片づけ時間を確保
・ライフスタイル確認表で日々の行動を「見える化」する
・タイムマネジメントを意識するきっかけになる
・非効率な行動を少なくすれば時間が生まれる!
・「いつか」を「今日」にすれば充実した毎日に

(3)思い出なのか使用中なのかを見極める
・かけがえのない思い出とそうではない思い出
・イマ彼を大切にしたいなら、モト彼にはお別れを
・2分類にご用心! 物の分類は後悔の少ない方法で

(4)2分類ではなく4分類
・「いる・いらない」は厳しい選択が迫られる
・いま使っている物は「いる」、使わない物は「いらない」
・8秒悩んだら「迷い」、明らかに残す思い出の物は「移動」
・勢いで思い出の物を捨ててしまわないように

(5)共有の思い出は管理者を決める
・思い出は誰かと共有していることが多い
・共有された思い出には「温度差」があることも

(6)思い出の物の適量
・思い出を収めるのは、みかん箱サイズがちょうどいい
・思い出箱をステキに仕上げる!
・ずっと使用していくための工夫もお忘れなく

【第2章】写真を整理して、いままでの私の人生を振り返る
(1)マイ・ベストショットアルバムを作る
・写真は片づかない物ナンバー1
・最高の30枚をピックアップ!
・ページをめくれば、輝いている「私」がいる

(2)生前整理帳を作る
・生前整理帳とエンディングノートの違いって?
〈ステップ1〉私の人生を振り返る
〈ステップ2〉3年後の葬儀をプロデュース
〈ステップ3〉やり残しリスト
〈ステップ4〉大切な人へのメッセージ
〈ステップ5〉5年後の私の未来をプランニング

(3)書きだしながら写真を整理
・作成を同時に行なえば、思い出も立体的によみがえる!
・ついつい撮りすぎるデジカメを使うときの注意点

(4)おすすめの写真整理方法「スクラップブッキング」
・写真を整理しながら活用する
・スクラップブッキングの作り方はとても簡単!
・子どもの写真だけではなく自分たちの写真も使う
・写真を飾ると家族の絆が深まる

(5)エターナルフォトがいちばん困る
・「遺影」という言葉からイメージされる写真って?
・充実した人生の証となるエターナルフォト

【第3章】大切なものを決める
(1)この人生には必ずゴールがある
・死は決して遠いところにあるものではない
・残り時間を意識すれば、人生の優先順位が見えてくる
・春風が吹くような道を選んでゴールへ向かおう

(2)模擬葬儀をイメージしてプロデュース
・葬儀は人生の「通知表」
・人柄がにじみでるようなエピソードを作ろう
・ゆとりをもって葬儀をプロデュースする

(3)やり残したことを書きだしていく
・「やり残しリスト」を作成しよう!
・やり残しとして多くの人があげるのは「親との和解」
・やり残していたことは結婚だった?
・やり残しリストとセットになっているもの、それは行動
・行動を起こしながら悔いの少ない人生を

(4)本当に大切な人をリストアップする
・大切な人を見える化すると人間関係がハッキリする
・「特に大切な人」「大切な人」「軽いお付き合いの人」
・お付き合いリストは葬儀のときに大活躍

(5)大切な人へのメッセージをしたためる
・感謝の思いを告げると自分自身に大きな変化が
・「母に大切にされていたことに気づきました」
・メッセージを必ず相手に届ける

【第4章】5年後の私の未来をプランニング
(1)理想の私って、どんな人?
・自分で自分のことが「好き」と言える理想の私へ
・「無理」と思うと、できることもできなくなる
・理想の私は、「見える化」したら実現する
・理想と現実がピッタリ重なるための行動を

(2)期限を決めてやり残しリストをやってみる
・期限を決めると「やることリスト」に!
・ワクワクする未来の目標が次々と生まれてくる

(3)5年後の私のライフスタイル
・5年あれば、多くのことが実現している
・「5年後の私」は社会貢献をしている

(4)手に入っている物やお金
・思い描いたライフスタイルにふさわしい物とは?
・苦手意識を克服してお金としっかり向き合う
・夢はかなったものとして断定して書くことがポイント

(5)笑顔になっている大事な人
・5年後、誰を笑顔にしていたいかを考える
・まずはネガティブな言動に気づくことが大切
・笑顔のアプローチを通して魅力と可能性は広がっていく

【第5章】人生の棚卸しをして、よりよく生きる5つのポイント
《ポイント1》 必要な物だけを厳選して持つ
・不要な買い物を激減させる「買い物の5原則」
・「断つ」ことを「決める」決断力を研ぎ澄まそう

《ポイント2》足るを知る
・いまの状態はとても恵まれている
・満たされているのに「足りない」と思う気持ちの裏には……
・足し算ではなく引き算で日々の暮らしを見つめる

《ポイント3》物や人に心から感謝する
・感謝の思いは薄れやすいことを認識する
・「ありがとう」を習慣化しよう
・物とのコミュニケーションスキルをみがく

《ポイント4》身近な人ほど大切にする
・「大切に思う気持ち」は言葉や態度に表す
・まわりに支えられているからこそ、いまの自分がある

《ポイント5》私の未来は私が決める
・自分の人生には、自分が責任をもつ
・自分で判断し、決断することで人生をコントロールする
・自分自身を味方につけて、未来につながる行動を!