子育て
自分で考えて生きる力が育つ12歳までのモンテッソーリ子育て
「自分でできる子」から「自分で考える子」に育つために0~6歳、6~12歳で家庭でできるモンテッソーリ教育を紹介しています。著者(肩書) | 野村緑《聖アンナこどもの家副園長》 |
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主な著作 | |
編集等 | |
税込価格 | 1,320円 (本体価格:1,200円) |
対象 | 0~12歳頃までの子どもの保護者 |
頁数/仕様 | 200ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm |
初版 | 2018年6月 |
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私たちの活動をより多くの方に知っていただきたいという思いから、本書のタイトルには「子育て」という表現を用いていますが、モンテッソーリ教育の世界では、「子育て」以上に「子育ち」という表現を大切にします。なぜなら、子どもは自ら育つ力をもっているからです。大人の関わりも大切ですが、主体はあくまで子ども。ですから、「子育て」より「子育ち」のほうが、子ども本来の姿に合っている言葉なのです。
ただし、子どもが自ら育つ力を発揮していくためには、大人の手助けはやはり大事です。子どもの発達に応じて、そのときやりたいことを存分にできる環境を整えたり、ぴったりの活動を提案したりしていく必要があります。
大人が子どもに合わせて、適切に手助けしていくにはどうしたら良いか、それを常に考え、「子どもが主人公」の教育を実践しているのが、モンテッソーリ教育です。
私は現在、東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンター付属の「聖アンナこどもの家」の副園長として、日々60余名の子どもたちと共に過ごしています。聖アンナこどもの家では、日本国内ではまだ数少ない、小学生向けのモンテッソーリ教室も開いています。
この本では、「こどもの家」の幼児や小学生が実際に取り組んでいる活動を、家庭でも実践しやすいものを中心に、具体的にご紹介しています。どれも園の子どもたちが夢中になる、大好きな活動ばかりです。みなさんのお子さんが気に入る活動も、きっとあるのではないかと思います。
モンテッソーリ教育って、なんだか難しそう……、そう感じている方もいるでしょう。たしかに、専門的な教育を受けた教師がやるような本格的な活動を、家庭で再現するのは難しいかもしれません。でも、モンテッソーリ教育の始祖であるマリア・モンテッソーリの子ども観や、彼女の残したアプローチの中には、子どもをもつ親にとって役に立つことがたくさんあります。
モンテッソーリ教育は教える側の負担が大きくて大変、という印象もあるかもしれませんが、モンテッソーリの子どもの見方を知ることで、おうちの方はむしろ楽になり、子どもと過ごすことがもっと楽しくなるのではないかと、私は思っています。
モンテッソーリ教育の理論と実践法は膨大なもので、とても1冊の本では紹介しきれませんが、本書ではその中から、お母さんやお父さんに特に知っておいてほしいポイントを抜き出し、わかりやすくお伝えするように努めました。
また、モンテッソーリ教育においては乳幼児期の働きかけが重要とされていますが、学童期もまた大事な学びの時期です。国内ではまだ情報が少ない、小学生の子ども向けの活動を紹介しているのも、この本の特長です。
モンテッソーリ教育の実践を続けている私にとっては、子どもたちが喜んで活動する姿を見ることが、なんといってもいちばんの幸せです。0歳から12歳の子をもつお母さん、お父さんにも、上手な手助けの仕方を知って、わが子が自らすすんで、喜んで学ぶ姿を見る幸せを、たくさん味わっていただきたいと思っています。そのために役立つモンテッソーリ女史の遺産、モンテッソーリ教育のエッセンスを、この本から吸収していただければ幸いです。 (「はじめに」より)
【第1章】今こそ生きるモンテッソーリ教育
■変化の速い時代を生きていける子に
・必要なのは、未知の課題に対応していく力
・モンテッソーリ教育の誕生と広がり
・自立を育てるモンテッソーリ教育
・子どもの観察が教育の始まり
■知っておきたい「敏感期」
・子どもを観察するには、知識が必要
・敏感期とは?
・敏感期の子どもは、自ら学ぶ
・敏感期を知る親の子どもは幸せです
■子どもが自ら学べる環境づくりを
・子どもの「いたずら」は、環境が原因
・子どもの育つ家を、子ども向けの環境に
・環境づくりの6つのポイント
・制限もまた必要です
■子どもが1人でできるように手伝う
・「私が1人でできるように手伝ってください」
・教師の12箇条
・打てば響く存在になろう
・子どもの活動をむやみに中断しない
・集中しているとき、子どもの核が育まれる
・遊びでなく「お仕事」
・むやみにほめない
■子どもと共に大人も育つ
・1日10分、100パーセント子どもと向き合おう
・子どもに選ぶ力を
・失敗を恐れず提案しましょう
・モンテッソーリ教育に教具は必須?
・子どもが変わるのは、親が変わるとき
【第2章】0~6歳「自分でできる」子どもに
■0~6歳はどんな時期?
・幼年期の前半は「運動」「言葉」の敏感期
・「いつでも同じ」であることを好みます
・幼年期の後半は「感覚」の敏感期
■日常生活の練習
・「自分の身体の主人」になるために
・「鼻のかみ方」をどう教える?
・自分でできるように導くポイント
・子どもが間違っているときは
・お箸のレッスン
■手と指先を使う
・手を使うことは子どもの喜び
・たたむ活動
・通す活動
・注ぐ活動
■一緒に家事に取り組む
・子どもにとっての家事は「本物の仕事」
・やってもらうより、自分がやりたい
・ぴったりの仕事を見つけよう
■五感を使う
・感覚は知識の入口
・感覚を使う活動は、抽象思考の準備になる
・弱い刺激を感じとる体験を
・感触を楽しむ
■語彙を豊かに
・絵合わせカード
■文字を書く
・読むより先に書く
・鉛筆をもたせるのは最後の段階です
(ステップ1)砂文字板
(ステップ2)チョークでなぞる
(ステップ3)フェルトペンでなぞる
(仕上げ)鉛筆で書く
■文字を読む
・物と名前
・小さい籠
・文を読む
■数を学ぶ
・幼児は数にも敏感です
・数アレルギーを抱かせないために
・数を教えるためのステップ
(ステップ1)数量の紹介
(ステップ2)数字の紹介
(ステップ3)数量と数字を一致させる
・つむ棒箱
【第3章】6~12歳「自分で考える」子どもに
■6~12歳はどんな時期?
・家族から子ども社会へと関心が移っていく
・知識をぐんぐん吸収する時期です
■6歳からの、家庭での「子育ち」
・子どもの観察と環境づくりは、児童期からも必要です
・イマジネーション豊かに真実を伝える語り部に
・「敏感期」を過ぎたら、もう遅い?
・ゲームやネットに集中していたら
〈コラム〉塾に行くのはまだ早い?!
■小学生からの家事参加
・算数や理科の理解にもつながる「お手伝い」
・仕事の「意義」を伝えよう
・小さな役目をやり抜く体験を
■算数を学ぶ活動
・具象から抽象への移行を助ける
・切手遊び
・切手で数づくり
・切手でたし算
・答えを確かめる
・切手で引き算
・切手でかけ算
・切手で割り算
・切手で2桁の割り算
・九九の学習
・1より小さい数(分数)
・折り紙で分数づくり
・1/2集め
・分数の計算
・小数に親しむ
■理科を学ぶ活動
・知識への飢えを満たす環境づくりと語りかけを
・宇宙はどれぐらい冷たくて暗い?
・実験に親しむ
・山で貝の化石が見つかるわけ
・植物の観察
・魚の観察
・魚からの贈り物
・種の名前調べ
・貝の名前調べ
・図鑑から知識を吸収
■社会を学ぶ活動
・お出かけのプランを立てる
・地図に国旗を立てる
■国語を学ぶ活動
・品詞をシンボルに置き換える
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