頁数/仕様
160ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版
2016年8月
在庫
在庫あり

運動できる子、できない子は6歳までに決まる!

運動能力は遺伝よりも、生活環境が大きく影響します。「体育で嫌な思いをさせたくない」その願いを叶えるために、身につけたい運動スキルとそれらを補うドリルを紹介します。
著者(肩書) 遠山健太《ウィンゲート代表社員》
主な著作 『ママだからできる運動神経がどんどんよくなる子育ての本』(学研プラス)
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 0~6歳児の保護者
頁数/仕様 160ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版 2016年8月

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みなさん、はじめまして。
私は現在、スポーツトレーナーとして2つの仕事をしています。
ひとつはジュニア・アスリートの育成で、フリースタイルスキーの一種目であるモーグル競技のジュニアチームを指導しています。もうひとつが一般の子どもたちの運動能力向上を目指した運動教室の運営です。
日々、大勢の子どもたちと運動・スポーツを通して関わっていて、近年、ちょっと気になることが出てきました。子どもたちの運動意欲が落ちてきているのではないかということです。
小学校の体育の授業を見学していると、しばしばその傾向を実感します。何かと話題にのぼる子どもたちの体力や運動能力低下の問題も、意欲低下と無縁ではないかもしれません。
共働きの家庭が増え、親子で外遊びする機会が減少している、少子化が進んで子どもたちが集まって遊ぶことも減っている、子どもの遊びがゲームなどのインドアになってきているなど、運動に興味のない子が出てきている背景には、いろいろな原因が考えられます。
そのいっぽうで「子どもには運動できる子になってほしい」「学校の体育でイヤな思いをさせたらかわいそう」は、昔も今も変わらない親御さんたちの思いです。みなさんの中にもきっと、そんな思いでこの本を手にとってくださっている方が多いことでしょう。

身体を動かすこと、運動遊びをすることと、子どもたちの距離が離れる傾向にある現代は、とくに意識して、小さいうちから楽しく身体を動かす体験をたくさんさせていく必要があります。
運動できる子、運動好きな子にしていくためには、幼児期からの運動体験がとても大切です。本来子どもは身体を動かすことが大好きですから、小さいうちからちゃんと身体を動かしていれば、どの子も運動好きになっていくはずです。
「学校の体育でイヤな思いをしないように」という親御さんの心配も、それによって解決できます。
体育種目がうまくできずに、体育の授業そのものが苦痛になる子どもが増えていますが、幼児期に室内外で思いきり運動をさせることで、小学校でのマット運動、なわとび、鉄棒、跳び箱といった基本的な体育種目は、適度に反復練習すればできるようになっていくからです。

運動と言うと、スポーツ教室に通わせることを思い浮かべる方も多いとは思いますが、育児の中でできることは十分にあります。
室内や家のまわり、近所の公園で遊ぶことでも運動能力を大いに伸ばすことは可能ですし、遊びを通しての親子の関わりは、子どもの心の成長に欠かせない親子のコミュニケーションの機会にもしていただけることでしょう。
本書には、子どもの運動能力や運動スキルをどうやって高めていってあげたらよいかを中心として、単なる能力やスキルの向上に留まらず、運動を通して子どもの心や知性を育んでいっていただきたいという私なりの思いも込めています。
「運動できる子にしたい」=運動テストの数値や結果を向上させたい、で終わってしまってはもったいない。
この本を読み終わったとき、「運動ができるようにしてあげたい」という親ならではの気持ちをもって子どもと関わることが、わが子の心身の成長そのものにつながっていくことに気づいていただけたら、スポーツトレーナーとして、また2人の子どもの父親として、大変うれしく思います。  (「はじめに」より)

【序章】ちょっと気になる子どもの能力・体力低下
運動能力の低下が心配な理由
自分の体力に興味がない子が出てきている!?
運動が苦手かそうでないかは心の成長にも影響する
身体を動かすことが好きになれば運動能力も上がる
まずはお父さんとお母さんが“トレーナー”になろう
《コラム》学校健診に加わった「運動器検診」

【第1章】運動能力の基礎は6歳までにつくられる!
◆生まれつきの運動オンチはいない!
・運動できないのは経験値が足りないから
・運動できる子ってどんな子?
・よその子と比べるより、わが子の成長を大切に
◆幼児期は運動能力の基礎がつくられる時代
・脳の神経ネットワークが発達する幼児期
・幼児期こそ運動能力のベースを養っていこう
◆運動できる子になるかどうかは環境と体験しだい
・素質や遺伝よりも環境と経験
・スクールよりも、まずはいろいろな遊びをさせよう
◆子どもは自由に遊ばせるほど伸びる!
・指導を受けている子と自由遊びの子 運動能力はどっちが上?
・指導による運動は、運動の時間が少なくなる
◆親との遊びで運動能力を高めていくなら
・その子の理解力に合わせることも大事
・見て学ぶ機会も大事
・いろいろなスポーツを見る体験を
◆「男の子だから」「女の子だから」と考えない
・投げるのが不得手な女の子が多い理由
・運動神経の発達に性差はない
◆習い事をさせるならまずは水泳と体操を
・スクールに入れるメリットとは?
・やるなら水泳・体操がおすすめ
《コラム》スポーツ英才教育は10歳からでも間に合う

【第2章】育てていきたい7つの「基本運動スキル」
◆遊びには運動能力アップのエッセンスがいっぱい!
・身につけたい基本動作は84種類もある!
・昔ながらの遊びも見直そう
◆「体幹」や「バランス」も遊びや動きの中で鍛えられる
・手足をのぞいた部分がすべて体幹
・遊具で遊べばそれだけでトレーニングになる
◆6歳までにしっかり育てたい7つの「基本運動スキル」
・学校の授業もスポーツも楽しめるように
・大事なのは遊びの要素があること
◆「ハイハイ」「あんよ」の頃から身体をたくさん動かそう
・0歳から基礎づくりは始まっている
・足裏や手のひらの感覚を育てることも大事
・家の中でも運動遊びはこれだけできる
◆「なげる」「逆さまになる」経験ほど小さいうちに
・6歳で本格投げができることを目指そう
・いろいろな投げ方も経験させよう
・おすわりができたらボール遊びを
・「逆さまになる」遊びも大事
《コラム》6歳を過ぎたらもう手遅れ?

【第3章】足りない力は運動ドリルで伸ばしていこう
◆わが子の運動能力を知る2つのテスト
・幼児向けと児童向けの2種類の体力テスト
・「MKS幼児運動能力検査」実施種目
・「新体力テスト」実施種目
◆ここまでできていたら花マル!「6歳の目標レベル」
・小学校入学前に体力チェック!
◆足りない能力はドリルで補足!
・公園遊びにドリルを加えて7つの「基本運動スキル」をアップ
(1)「走る」力を伸ばす
(2)「跳ぶ・着地する」力を伸ばす
(3)「投げる・捕る」力を伸ばす
(4)「バランスをとる」力を伸ばす
(5)「蹴る・パントする」力を伸ばす
(6)「用具を使って打つ」力を伸ばす
(7)「泳ぐ」力を伸ばす
《コラム》学校体育で困らないために

【第4章】「動くことは楽しい!」と思える子にしていこう
◆本気で子どもと遊んでいますか?
・親の本気遊びは子どもの力を育てる
・コミュニケーションが「やる!」の気持ちを引き出す
◆公園めぐりを楽しもう!
・都心部でもたくさんの公園がある
・多様な遊具を体験する
・こんな公園がおすすめ
・ときには子どもを好きに遊ばせてみよう
◆お手伝いも上手に活用しよう
・お手伝いは身体と心を成長させる
・身体を動かす運動になるお手伝い
◆運動が好きだとプラスになることがたくさん!
・やれるスポーツ、選べるスポーツの幅が広がる
・運動で身につく力は勉強面でも生きる
◆大切な社会的スキルも運動で身につく
・社会人として生きる力も育まれる
・まずは「武」ありきで!
《コラム》意外と大事な靴選び