頁数/仕様
128ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2019年10月
在庫
在庫あり

発達障害の子が「キレる・怒る」を自分でコントロールできるようになる本

発達障害の子が「イライラ」や「怒り」を自分でうまく和らげるための方法と、人間関係を円滑にする上手なコミュニケーション術を家庭で身につけられるようわかりやすく紹介。
著者(肩書) 有光興記《関西学院大学文学部総合心理科学科教授》
主な著作 『子どもが友だちで悩まないために10歳までに親がすべきこと』(PHP研究所)
編集等
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 幼児~小学生の保護者
頁数/仕様 128ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2019年10月

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子育ての中で特に扱いづらいのが、子どもの「イライラ」だと思います。
どんなお子さんでも、何かできないことがあると、不機嫌になって大声を出したり、周囲に八つ当たりしたりすることがあるでしょう。就学前であれば、パニックに陥ったり、けんかになってしまったりといったことも、珍しいことではありません。
一方で、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、SLD(限局性学習症)を持つ発達症(発達障害)のお子さんの「イライラ」は、ご家庭や学校で大きな問題に発展することがあり、要注意です。たとえば、相手のことを傷つけても、自分が悪いことをしたとは思わずに、叱られても逆に「キレる」ことがあります。衝動的に言いたいことやりたいことをし続け、友だちと言い争いをしてトラブルになることもあります。お子さんの特性ゆえ、こうしたことが繰り返し起こってしまい、その対応で悩まれている方もいらっしゃると思います。
本書では、特に発達症に見られる「怒り」の特徴と、そのコントロール法を紹介しています。イライラすることが多いお子さんに対して、「落ち着きなさい」「怒ってはダメ」「感情を抑えなさい」という説教では、なんともならないことがあります。
思うようにならないときに「怒る」のは、自然なことです。最初はこの事実を受け入れる必要があります。「人は誰しも怒ってしまう」ということを理解して、親自身も感情的に怒るのでなく、やさしい気持ちで「どうしたの? 聞かせて」と話を始めてみてください。
お子さんの話をじっくりと聞いて気持ちが理解できたら、コミュニケーション・トレーニングで苦手なところを練習して、少しずつ身につけていってください。笑顔で質問したり、相手の好きな話題で盛り上がったりしていくと、お子さんとお母さん・お父さんの関係が良くなり、それが友だち関係にも反映されていくと思います。
最後に、お母さん・お父さんご自身の努力もねぎらってください。自分にやさしくするスキルも紹介していますので、実践していただけるとうれしく思います。
この本が、お子さん、そして、お母さん・お父さんのイライラ・コントロールに役立ち、ご家庭が笑顔で溢れるようになることを願っています。  (「はじめに」より)

【PART1】子どもの発達障害と「怒り」
■人間の感情と「怒り」
・怒りの本質は「自分を守ること」
・問題は「怒り方を間違えること」
・怒りの矛先は誰にも向けない
・怒りの「発散」は逆効果?!
・怒りの根っこにある「善意」に気づく
・「コントロールできること」と「できないこと」を親子で考える

■発達障害の子どもの「怒り」
・発達障害の特性や傾向と怒りの関係
・イライラするのは発達障害だから?
・まずは怒りの「理由」を知る
・発達障害の子の「感じ方」を理解する

■ADHD(注意欠如・多動症)の怒りとトラブル
■ASD(自閉スペクトラム症)の怒りとトラブル
■SLD(限局性学習症)の怒りとトラブル

【PART2】親子でやってみよう! イライラ・コントロール
■イライラはなくせない。でも悪循環を絶つことはできます
■イライラ・コントロール
・聞き方(1)押さえつけず、数分待つ
・聞き方(2)怒らないで、とにかく話を聞く
・聞き方(3)2~3歳下のつもりで接する
・話のまとめ方 間違っていても、焦らずに諭す
・考え方(1)イライラの「きっかけ」と「対処法」を親子で共有する
・考え方(2)相手の悪かったところ、自分の悪かったところを考える
・考え方(3)怒って得したこと、損したことを知る
・考え方(4)「怒ること以外、何ができるか?」を考える
・気づき方(1)イライラを5段階で整理する
・気づき方(2)体の変化でイライラを実感する
・イライラの消し方(1)前兆が現れたら、とにかくひと休み
・イライラの消し方(2)行動パターンをひとつだけ変える
・イライラの消し方(3)「怒りを鎮める言葉」を持っておく

■おぼえておきたい! 怒りを鎮める言葉10
■おぼえておきたい! 気持ちがラクになる言葉10

■「コミュニケーションの方法」を身につける
■コミュニケーション・トレーニング
・親も子も、笑顔であいさつ
・声の大きさを5段階で実感する
・「聞く姿勢」を身につけるためのポイント
・気持ちを読み取る
・順番に話して「会話のキャッチボール」
・興味のない話にも「乗っかれる」練習
・わからないことを質問するコツ
・相手を傷つけない話題選び
・謝る練習
・自分の希望を相手に伝える
・インタビューで「自己表現」
・「支離滅裂」から「理路整然」へ
・自分の「思い込み」に気づく
・「やめて」と伝える
・近すぎず、遠すぎず――距離のとり方

■おぼえておきたい! トラブル拡大をくいとめる言葉10
■おぼえておきたい! 困ったときに助けてもらう言葉10
■おぼえておきたい! 相手をほめる言葉10

【PART3】お母さん自身もイライラ・コントロール
・発達障害を理解、受容したうえで、できることをしましょう
・ちょっと休みましょう
・やってみましょう「マインドフルネス瞑想」
・イライラの扱い方
・自分のイライラ傾向を知る
・セルフ・コンパッション(自分への思いやり)
・イライラは「情熱」と「愛情」の証
・周りを巻き込む
・良いところに目を向け、成長を楽しむ

■おぼえておきたい! 子どもの怒りを誘う言葉10
■おぼえておきたい! 子どもの言い分を聞く言葉10
■おぼえておきたい! 子どものやる気を引き出す言葉10