家庭という名の収容所 そして心の闘い
発売日
2000年02月03日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-60984-3

家庭という名の収容所 そして心の闘い
虐待を受けた私が本当の心に辿りつくまで

著者 永山翔子著
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 両親から各種の虐待を受けて歪んだ心のまま成人になった著者が、本当の父に巡り会い、心を取り戻すまでの苛烈ながらも感動あふれる話。



 本書は、幼児期から大人になるまで、母親から精神的・身体的虐待を、養父から性的・精神的虐待を受け続け、アダルト・チルドレン(機能不全の家庭で育ったために子供としての情緒的成長がなく大人になった子供)となった著者が25歳のときに本当の父親と巡り会い、自分自身の心を回復していくまでの葛藤と闘いを描いた手記である。従来、アダルト・チルドレンのことを心理学者などの第三者が取り上げることはあったが、虐待されて育った当の本人が書き綴ったものはほとんどなく、それだけに虐待によって心がどれほど傷つくのか、赤裸々に描かれており、衝撃的な書となっている。中でも「人を無性に殺したくなる気持ちは共感できる」といった文章や著者がたびたび自殺をはかろうとするくだりは読む者をして虐待問題の根の深さを感じさせる。児童虐待が増えているだけに、本書から聞こえてくる心の叫びは、現代社会において虐待問題を考える好著となっている。