<教養>は死んだか
発売日
2001年11月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-61705-3

<教養>は死んだか
日本人の古典・道徳・宗教

著者 加地伸行著 《大阪大学名誉教授》
主な著作 家族の思想』(PHP研究所)
税込価格 814円(本体価格740円)
内容 古来、<教養>とは道徳的修養であった。今、教養は<知識>と同義となり、<人格>の形成は忘れられた。教養の本義を中国古典学から説く。



 教養がある人とは日本人の場合、よくものを知っている人で、知識人という意味と同じである。中国人の場合、教養とは知識とともに道徳的修養が含まれている。今では日中で知識型と人格型に分かれてしまった教養だが、かつては一体化していた。知識を学習することによって人格を高めていくとしていたからだ。その知識とは儒教的古典であった。古典学習が人格教育になるとされていた。現代日本人において<教養>は<知識>と<人格>に分裂し、知識型教養が肥大化している。これでいいのか、なぜ日本人は知識偏重になったのか、人格と知識の新しい結びつきは可能か、可能とすればどのような結びつきか等についてさまざまな面から考察する。目次は、第一部 <古典をめざして>から<古典を通じて>。第二部 漢文は死んだか。第三部 日本人が忘れたもの――道徳教育・儒教教育。補論 大学の死と再生と。日本人の<教養>の復権について語った著者渾身の一冊。