右であれ左であれ、わが祖国日本
発売日
2007年01月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-65894-0

右であれ左であれ、わが祖国日本

著者 船曳建夫著 《東京大学教授》
主な著作 『知の技法』(東京大学出版会)
税込価格 792円(本体価格720円)
内容 日本が築くべき国柄とは? 中米露という大国と対峙しながら、生き残るためのしたたかな戦略を提言。右も左も語らなかった新しい国家論。



 改憲か護憲か、親米か反米か、愛国心は是か非か──。左右イデオロギーの対立軸だけで国家を論じるのは思考停止だ。著者は、日本の過去五百年の歴史をふまえ、二つの独創的な視点で国家を論じようとしている。一つは、日本という国のとりうるかたちは、三つのモデルに集約されるという視点。つまり、信長型の「国際日本」、秀吉型の「大日本」、家康型の「小日本」という三つのモデルで考える国家論を披瀝する。さらに二つ目の視点は、日本は常に、三つの主勢力(中国・ロシア・西洋)との距離のとり方によって国運が左右された、という指摘。そして、この「三つのモデル」と「三つの主勢力」という枠組みから、憲法第九条、集団的自衛権、核武装論、六カ国協議、への対応策を導き出す。著者の専門は文化人類学であるだけに、イデオロギーにとらわれない地政学的発想が新鮮である。まさに、「右翼」も「左翼」も語らなかった独創的な国家論といえる。