京の花街 「輪違屋(わちがいや)」物語
発売日
2007年08月09日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-69378-1

京の花街 「輪違屋(わちがいや)」物語

著者 高橋利樹著 《輪違屋十代目当主》
税込価格 792円(本体価格720円)
内容 輪違屋十代目当主が語る京都の粋と艶。祇園以上に伝統ある花街「島原」で高位の芸妓「太夫」とあそぶ絢爛な世界、その真髄とは。



 京都・島原といえば、かつて興隆をきわめた、日本でいちばん古い廓(ルビ:くるわ)。幕末の時代、新選組が闊歩したことでも有名である。その地でたった一軒、現在でも営業を続けるお茶屋が、輪違屋(ルビ:わちがいや)である。芸・教養・容姿のすべてにおいて極上の妓女(ルビ:ぎじよ)、太夫(ルビ:たゆう)を抱え、室町の公家文化に始まる三百年の伝統を脈々と受け継いできた。

 古色なたたずまいを残す輪違屋の暖簾をくぐれば、古(ルビ:いにしえ)の美しい女たちの息づかいが聞こえてくる。太夫のくりひろげる絢爛な宴は、多くの客人たちを魅了し続けている。

 本書では、輪違屋十代目当主が、幼き日々の思い出、太夫の歴史と文化、お座敷の話、跡継ぎとしての日常と想いを、京ことばを交えてつづる。あでやかでみやびな粋と艶の世界――これまでは語られることのなかった古都の姿が、ここにある。