野望への階段
発売日
2008年12月19日
判　型
四六判上製
ＩＳＢＮ
978-4-569-70272-8

野望への階段

著者 リチャード・ノース パタースン著
東江一紀訳
主な著作 ＜東江・好評既刊＞『ガーゴイル（訳）』（徳間書店）
税込価格 2,200円（本体価格2,000円）
内容 ニューヨーク・タイムス常連のベストセラー作家が描く、米国大統領選の内幕。金、陰謀、宗教が渦巻く政治の世界をスリリングに描く。



　法廷サスペンスの雄が描いた、政治を生々しくとらえた群を抜くポリティカル・ノヴェルの傑作。

　カリスマ性に恵まれたオハイオ州選出上院議員コーリー・グレイスは、テロ事件をきっかけに、共和党の熾烈な大統領候補争いに参戦することになる。相手は、主流派が推す"本命"の院内総務と、キリスト教右派層を率いる超大物伝道師。湾岸戦争の英雄パイロットであるグレイスは、党の綱領よりみずからの良心に沿ったマニフェストを掲げ、その頑固なまでの無党派性ゆえに、気まぐれな反逆児のレッテルを貼られる。しかし、心の奥底には、パイロット時代の悲劇的な判断ミスがトラウマとして横たわっていたのだった……。

　本書は、すぐれたエンタテインメントとしても充分に楽しめる。一方で人種差別、テロリズム、キリスト教原理主義、同性愛者の権利、寡占メディアの台頭といった人工国家アメリカの抱える暗部がよく描かれており、非常に興味深い一冊となっている。