救いたい
UNTIL THE DAY COMES

　「医師であり、妻である前に、人間として生きたいと思った」

　「男であり、夫である前に、医師として生きることを選んだ」

　仙台医療センターで麻酔科医長を務める川島隆子は優秀な医師。手術管理部長として様々な手術に立ち会い、多くの患者さんの命を守り続けている。夫の貞一は、震災後「川島医院」を無期限休診とし、南三陸に診療所を開いて地域の人々のために尽力していた。

　被災地では、水産加工会社を再建した岸親子らが、昔通りの秋祭りを行おうしていた。貞一の右腕として働く看護師の吉田美菜は、仮設住宅への往診で帰宅が遅れたある夜、自宅で倒れている義母を見つける。

　一方隆子は、震災で父を亡くしたトラウマに苦しむ部下の鷹峰純子を復帰させようと、父の捜索時に出会ったという自衛隊員・三崎を訪ねるが……。

　あの日を乗り越えて、悲しみや厳しい現実を受け入れ、前向きに生きようとするひたむきな姿を感動的に描く映画「救いたい」の小説版。