[新訳]徒然草
発売日
2012年08月10日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-80584-9

[新訳]徒然草
自由人の境地を綴った最上級のエッセイ

著者 兼好法師著
ひろさちや編訳
税込価格 1,045円(本体価格950円)
内容 「つれづれなるままに」という言葉に兼好法師が託したほんとうのメッセージとは!? 深遠な文章を独自の視点で平易に解釈した一冊。



 序段の「つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて、……」から始まる『徒然草』。今からおよそ700年前に生きた作者が、『徒然草』を通して本当に伝えたかったこととは何だったのだろうか?

 その真意を探るべく、全二百四十三段の文章から厳選し、大胆かつ斬新な現代語訳によって、作品世界を理解し、愉しんでしまおうというのが、本書のねらい。

 兼好法師のメッセージの謎を解く手がかりとして注目すべき点が、彼の境遇と「つれづれ」という言葉。出家したとはいうものの、どの教団にも属さない。世を捨てながらも、生活に困らない安定収入源を確保する。悠々自適の生活を維持しながら、「つれづれ」の時間を、むしろ積極的に楽しむ。これらをひろ流に解釈すれば、自身が捨てた俗世間を、「高見の見物」と決め込んで馬鹿にしつつも、あたたかい目で眺めた人間模様を描写した、いわば観察日記なのだ。

 古典エッセイの醍醐味を知るためには最良の一冊。