いそぶえ
発売日
2014年08月20日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-81916-7

いそぶえ

著者 谷村志穂著 《作家》
主な著作 『海猫(上・下)』『余命』(以上新潮文庫)
税込価格 1,980円(本体価格1,800円)
内容 志摩の海女・孝子と神社の跡取り・武雄。惹かれあう2人を隔てる境遇の壁――昭和30年代の志摩半島を舞台に描く著者渾身の傑作長編。



 人を愛すること、想うことは、どこまで透明でありうるだろうか。

 構想7年――志摩半島を舞台に、代表作『海猫』以来、海に生きる人たちに取材した傑作長編。

 

 幼い頃に母を亡くし、大海女と呼ばれた祖母のもとで志摩の漁村に育った野井山孝子は、その地に生まれた女の宿命として、高校卒業後は海女となるはずだった。しかし、神主となるべく修行を積む白川武雄との邂逅によって、ふたりの透明な魂は響きあい、孝子は定められた生き方と、ひとりの女性としての目覚めの狭間で揺れうごく。

 己の体ひとつで海の底から生きる糧を獲る少女と、伊勢神宮の伝統ある志摩の神社の跡取りの青年とが出会ったとき、運命はふたりを思いもかけぬ方向へと導いていく――。

 志摩の美しい自然の中で紡がれる、あまりにも清らかで切ない恋愛小説。