書籍

- 発売日
- 2015年04月15日
- 判 型
- 新書判並製
- ISBN
- 978-4-569-82532-8
逆流するグローバリズム
ギリシャ崩壊、揺らぐ世界秩序
著者 | 竹森俊平著 《慶應義塾大学経済学部教授》 |
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主な著作 | 『ユーロ破綻』(日本経済新聞出版社) |
税込価格 | 880円(本体価格800円) |
内容 | なぜギリシャ・ウクライナ危機のみならず世界秩序までを揺るがすのか。グローバリズムの限界と世界経済の行方を見据えた画期的論考。 |
ギリシャ問題、ウクライナ危機、中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立……。そのすべてはつながっていた!
2015年1月に急伸左派連合が政権に就いてから、風雲急を告げるギリシャ情勢。国内の「ユーロ」が枯渇し、いわゆる「ユーロ離脱」が現実のものとなりつつある。しかしギリシャ一国が離脱したところで世界経済への影響は軽微、という向きもあるようだ。
その見方は決定的に間違いである、と竹森氏はいう。ギリシャのユーロ離脱を端緒として、グローバリズムは逆流を始める。やがてそれは日本をも巻き込んで、国境を越えた金融取引を消失させ、安全保障環境を不安定化させていく。
そもそもなぜ、グローバル化の体現ともいえる共通通貨ユーロは失敗したのか。じつは共通通貨ユーロの構造そのものが、危機の元凶だったのだ。財政統合なき通貨統合がユーロ圏を「つくる国」と「使う国」に分断し、ギリシャに過剰な消費を強いたのである。
さらにはギリシャが危機に陥ってからも、EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)からなる「トロイカ」は効果的な支援ができなかった。その背景を探ると、ドイツが過剰なまでにこだわった「非救済条項」の存在が浮かび上がる。
そしてギリシャ危機の一方で欧州ではもう一つの危機、つまりウクライナ情勢が緊迫の度合いを深めている。二つの危機は根深いところでつながっており、欧州のみならず、日本にも巨大なインパクトを与える、と竹森氏が語るのはなぜか。
一見なんのつながりもないように思われる欧州危機と中国のAIIB設立の関係までも視野に入れながら、ユーロ圏はもちろん、アメリカ、ロシア、IMFなどの思惑を緻密に読み解き、これから日本がとるべき道までを指し示した渾身の一作。
目次
第1章:「欧州統合」に欠けていた戦略的思考
第2章:危機の原因は共通通貨ユーロそのもの
第3章:ギリシャ救済はどこで間違えたのか
第4章:ドイツの過剰な「ルール至上主義」
第5章:アメリカとドイツの知られざる戦い
第6章:苦悩するIMF、揺らぐ世界秩序
第7章:日本がいま真剣に考えるべきこと
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