《受胎告知》絵画でみるマリア信仰
発売日
2018年11月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-82712-4

《受胎告知》絵画でみるマリア信仰

著者 高階秀爾著 《美術史学者、美術評論家、東京大学文学部名誉教授、大原美術館館長》
主な著作 『西洋美術史』(美術出版社)
税込価格 1,012円(本体価格920円)
内容 西洋美術を知りたければ、聖書の知識は必須。もっとも愛されてきたテーマ≪受胎告知≫を西洋美術史第一人者の著者が集中講義!



 聖母マリアが身籠ったことを知らされる一瞬の出来事を描いた《受胎告知》は、近現代に至るまで1500年以上ものあいだ、多くの画家たちが手掛けてきた、人々を魅了するテーマだ。

 時代によって、また画家によっても全く異なり、イエスも描かれていないのに、なぜ人気だったのか――。

 本書では、カラー48点の作品を、歴史だけでなく図像学的なモチーフやその変遷、さらに、名高い画家たちの名作の秘密や背景も解説。

 西洋絵画屈指の名場面の魅力を明らかにする。

 ≪構成≫

 【序章】キリスト教と西洋美術の関係 
●文化に溶け込んだマリア信仰 
●実は聖書に具体的な記述はない

 【第一章】《受胎告知》とは? 
●わずか数分の出来事を一枚の絵に収める 
●告白された日は、いろんな都合で「三月二十五日」に ……

 【第二章】なぜマリア信仰が盛んだったのか 
●ペスとが流行したゴシック時代から優しいマリアに 
●教会内で飾られる位置は決まっている ……

 【第三章】ルネサンスの写実的な表現と細密描写 
●富豪たちが積極的に寄進した理由とは 
●ルネサンス時代になって人間らしく描かれた ……

 【第四章】マニエリスム――特異な表現様式と宗教戦争 
●カトリックの戦略的な宗教普及 
●さらに神秘性を強調した表現 ……

 【第五章】バロック――そして近現代における《受胎告知》 
●宗教絵画に日常表現を取り入れる 
●描かれなくなった現代でも有名なテーマ ……