あるじなしとて
発売日
2022年06月08日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-85213-3

あるじなしとて

著者 天津佳之著 《小説家》
主な著作 『利生の人』(日本経済新聞出版)
税込価格 2,090円(本体価格1,900円)
内容 “学問の神様”としてではなく、行き詰まったこの国を救うため、独り闘いつづけた“政治家”菅原道真の生涯を描く、感動の力作長編。



 律令体制の限界、財政破綻の危機……。

 この国を救う――。たとえ我が名が残らなくとも。

 “学問の神様”ではなく“政治家”としての菅原道真に光を当てた、第12回日経小説大賞受賞作家による感動の歴史長編。

 

 文人として名を成し、順調に出世していた菅原道真は、讃岐守という意に反した除目を受け、仁和2年(886)、自暴自棄となりながら海を渡って任国へ向かう。しかし、都にいては見えてこなかった律令体制の崩壊を悟った道真は、この地を“浄土”にしようと治水を行なった空海の想いを知ると共に、郡司の家の出でありながらその立場を捨てた男と出会うことで、真の政治家への道を歩み出す。

 

 「東風吹かば匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」に込められた道真の熱き想いとは。菅原道真の知られざる姿を描いた傑作歴史小説。