政治と暴力
発売日
2022年09月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-85331-4

政治と暴力
安倍晋三銃撃事件とテロリズム

著者 福田充著 《日本大学教授》
主な著作 『メディアとテロリズム』(新潮新書)
税込価格 1,078円(本体価格980円)
内容 「日本で要人暗殺テロは起きない」は幻想だった! 日本の政治史や危機管理学の視点から、第二の犠牲者を出さないための対策を記す。



 著者は危機管理学とリスク・コミュニケーション、テロ対策の専門家。第一次安倍政権が発足した2006年から、内閣官房、総務省でテロ対策や危機管理に関する政策の検討に携わってきた。

 現代のテロリズムは、「政治的な影響を与える暴力的行為」すなわち社会へのインパクトを重視する。安倍晋三銃撃事件はオーディエンスに消費される劇場型犯罪であり、容疑者の家庭問題から旧統一教会、自民党との関係という政治的問題にメディア・アジェンダ(議題)を変容させながら展開した。たとえ安倍政権への政治的不満に由来しなくとも、「テロリズム的」と呼べるゆえんである。

 「政治と暴力」は結びついており、「日本はテロとは無縁の国」は幻想に過ぎない。蘇我入鹿や吉良上野介、井伊直弼、大久保利通、伊藤博文、犬養毅、浅沼稲次郎。いずれも日本政治史における「要人暗殺テロ」の犠牲者である。

 「警備の見直し」や「武器・材料の購入規制」などの対症療法を超え、最先端の危機管理学に基づく「根本療法」を考える。

 第1章 政治と暴力の関係

 第2章 安倍晋三元首相銃撃事件

 第3章 テロリズムとは何か?

 第4章 日本とテロリズムの深い関わり

 第5章 テロリズムを分析する軸

 第6章 現代的テロリズムの特徴と変容――無差別テロへ

 第7章 アメリカのテロ対策から学ぶ4つの機能

 第8章 日本のテロ対策と要人警護はどうあるべきか