はなごよみ
発売日
2022年09月08日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-90237-1

はなごよみ
<草花>時代小説傑作選

著者 宮部みゆき、諸田玲子、梶よう子、廣嶋玲子、中島要、浮穴みみ 著/細谷正充 編
主な著作 あやかし』(PHP研究所)
税込価格 924円(本体価格840円)
内容 いま話題の女性時代作家が勢ぞろい! 桜、あじさい、朝顔、菊、椿……江戸の人情を花に託した美しくも切ない時代小説アンソロジー。



 いま話題の女性時代作家が勢ぞろい! 

 桜、あじさい、朝顔、菊、椿……言葉にできない思いを花に託した、美しくも切ない時代小説アンソロジー。

 
●「吉原桜」(中島要)

 吉原一の人気花魁・唐橋は、妹分の紅鶴と間夫を別れさせる。悲しみに沈む紅鶴に着せるために、唐橋が仕立て直しを頼んだ百花繚乱の“いろはの打掛”とは。

 
●「桜の森に花惑う」(廣嶋玲子)

 猫の姫様の庭である桜の森に迷い込んだ人間の久蔵は、涙にくれる華蛇族の娘・初音に出会う。恋をしなければならない一族なのに、いまだ恋ができずにいる初音に対して久蔵は……。

 
●「あじさい」(梶よう子)

 御薬園同心・水上草介は、元同僚から相談を受ける。祝言を挙げることになったが、剣術道場の兄弟子が頼んでいないのに仲人をやる気だという。隠居の身である兄弟子は、道場では少々煙たがられ、さらに息子の嫁からも厳しい態度を取られているようで……。

 
●「ひとつ涙」(浮穴みみ)

 蔵前の札差の娘・おまきは、縁談がなかなかまとまらず嫁き遅れといわれるも、七歳のときの初恋の相手が忘れられない。そんな中、四年前に行方をくらました幼馴染の助五郎が現れる。やさぐれた魅力を持つ助五郎は、どうやらわけありのようで、おまきは助五郎に協力することになる。

 
●「縁の白菊」(諸田玲子)

 君江は意中の相手と菊見をするために、待ち合わせ場所の茶屋で相手を待つが、突如、狼藉者が茶屋を襲撃する。狼藉者が居座る茶屋を抜け出した君江だが、茶屋の娘に懇願され、ある男を探すことになり……。

 
●「侘助の花」(宮部みゆき)

 掛け行灯をつくる際に侘助の花を描く看板屋が、その理由を尋ねられ、一度だけ“生き別れの娘を探すため”という作り話をする。しかし、存在しないはずの実の娘を名乗る女が現れ……。

 四季折々の花を背景に、江戸の人情を描いた短編六作を収録。