敗北の作戦参謀
発売日
2025年08月01日
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判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-90513-6

敗北の作戦参謀
服部卓四郎と昭和陸軍

著者 岩井 秀一郎著 《歴史研究者》
主な著作 今村均』(PHP研究所)
税込価格 935円(本体価格850円)
内容 昭和陸軍の組織的欠陥を、1人の作戦参謀の姿から見透かす力作。戦後80年を経ても、官僚国家日本を覆うその本質は変わらないのか。



 日本は、どこで何を誤ったのか。日本のエリートは、なぜ誤るのか。

 昭和100年の今だからこそ、知られざる歴史の真相に目を向けたい。

 戦後史に消えた作戦参謀「服部卓四郎」――昭和期の「あの戦争」の舞台裏で起用され続けた、昭和陸軍の1人のエリート軍人に着目することで、見えてきた日本の組織の「負の教訓」。

 本書は、服部卓四郎に関する限られた史料を掘り起こし、丹念に精査し、その生涯を捉え直すとともに、敗北に至らしめた国家権力の組織の実像に迫るものです。

 著者は、陸軍大将・多田駿を描いたデビュー作の評伝で第26回山本七平賞奨励賞を受賞した気鋭の歴史研究者。その後も、東條英機、渡辺錠太郎、永田鉄山、梅津美治郎、今村均といった陸軍の最重要人物の評伝に取り組んできました。

 服部卓四郎の人物像を描くにあたっては、ノモンハン事件、ガダルカナル戦などの戦史を取り上げ、石原莞爾、辻政信、田中新一、井本熊男、高山信武といった陸軍のエリート軍人たちとの関係性等に着眼。さらに日本海軍との関係性など、さまざまな角度から、作戦参謀という存在が果たした役割を浮き彫りにしています。

 *本書は、2022年6月にPHP研究所から刊行された『服部卓四郎と昭和陸軍』を改題の上、再構成し、加筆・修正したものです。