人名事典

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小松左京

(こまつ・さきょう)
 一九三一年大阪府生れ。京都大学文学部卒。漫才台本作家を経て、文筆業。

 大ベストセラー『日本沈没』(73年)で、災害大国・日本がいかに地震に脆いかを予告した。阪神大震災で予想が不幸にも当った。『毎日新聞』にドキュメントを長期連載するなど、この大地震を丹念にフォローしている。『THISIS読売』(96年2月号)では「地震学が育たない震災大国」と題して論点を整理している。最も重視するのは地震についての各種一次データのストックだ。尊い犠牲、社会的損害の生のデータをコンピュータ処理して将来に生かすこと。この最低限の作業が十分に行われていない。地震の予知のあり方にも不満がある。空の光とか動物が騒ぐなどの前兆現象を重視、直下型地震はとくに予知が可能だと思う、という。

 著書に『ユートピアの終焉』(ディーエイチシー、94年)など。

(データ作成:1997年)