人名事典

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船橋洋一

(ふなばし・よういち)
 一九四四年神奈川県生れ。東京大学教養学部卒。朝日新聞社入社、北京、ワシントン特派員、経済部次長、編集委員を経て朝日新聞アメリカ総局長に。

 冷戦後の日本の国家像を、軍事大国になることを拒否し、経済力に見合った政治力を国際機構を通じて発揮する「グローバル・シビリアン・パワー」(地球民生大国)に求める論客。『外交フォーラム』(93年10月号)では、日本が「国際社会の規範を修正するパワーに成長した場合、中国の力の表現より、はるかに歴史的な意味がある」と位置づけた。きわめて野心的な構想だが、どうやら米国にも賛同者がいるようで、現政権の現状維持方針と当面平仄があうところが味噌である。

 著書『アジア太平洋フュージョン|APECと日本』(中央公論社、95年)、『通貨烈烈』(朝日新聞社、88年)、『内部-ある中国報告』(朝日新聞社、83年)。

(データ作成:1997年)