般若心経の謎
発売日
2001年04月02日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57543-8

般若心経の謎
なぜ、日本人の心を魅きつけるのか

著者 百瀬明治著 《作家》
主な著作 徳川秀忠(PHP文庫)』(PHP研究所)
税込価格 545円(本体価格495円)
内容 約1500年前に伝えられたこの短い経文は、今も日本人の心を捉えて離さない。その謎を歴史的観点から探った著者渾身の書き下ろし。



 経題を含めても、わずか二百七十六文字。この最も短い経典といってよい「般若心経」に、なぜ日本人は心を惹かれるのだろうか。その短さも一つの要因かもしれぬ。しかし、改めて「なぜ」と問うと、明確な理由を見出すのは意外に難しい。

 著者は本書で、「日本人の般若心経好き」の謎を、歴史的な観点から探り出そうと試みている。具体的には、仏教伝来から、「般若心経」の成立、聖徳太子の時代から鎌倉、戦国、江戸、明治を経て現在に至るまでを、適宜資料を用いつつ洞察していくという、オーソドックスなスタイルであるが、聖徳太子の「十七条の憲法」にも般若心経が影響を与えていたり、ごく最近では「サンデー兆治」ことプロ野球の村田兆治が肘の手術を受け、無事快復を祈ったときに、やはり般若心経を唱えたことなど、硬軟取り混ぜたエピソードが豊富で、読者を飽きさせることがない。

 般若心経の解説書は溢れるほどあるが、本書は異色の般若心経研究書である。