陸奥宗光とその時代
発売日
2003年03月03日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57920-7

陸奥宗光とその時代

著者 岡崎久彦著 《元駐タイ大使、岡崎研究所所長》
主な著作 陸奥宗光 上・下』(PHP研究所)
税込価格 1,257円(本体価格1,143円)
内容 若き日の坂本竜馬らとの交流から、欧米留学後に外務省に入省し、明治日本の生存と尊厳に命を賭した外交官の波乱の生涯を描く力作評伝。



 著者には、すでに『陸奥宗光(上下)』(PHP文庫)という著作がある。これは、陸奥宗光の一生を描いた長編評伝である。その著者が、なぜ再び陸奥宗光を素材に、『陸奥宗光とその時代』と銘打ち本書を著したのか。その意図は、まさに「その時代」の4文字を付したところにある。

 つまり、英国との条約改正を成功させ、三国干渉を素早く収拾した陸奥宗光という、明治日本の生存と尊厳を守り抜いた外交官の波乱の生涯をとおして、日本における近代とは如何なる意味を持っているのかについて、客観的な論考を試みようとした点である。

 この試みにこそ、元駐タイ大使であり、外交史の研究家としての、なみなみならぬ意欲がうかがわれるのである。

 本書は、小村寿太郎、幣原喜重郎、重光・東郷、吉田茂と続く、「外交官とその時代」シリーズ全5部作の第一弾である。外交史、近現代史の研究者はもちろん、明治以降の日本の歩みを考えるうえで恰好の読み物である。