夫の宿題
発売日
1998年07月09日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-60169-4

夫の宿題

著者 遠藤順子著 《故遠藤周作氏夫人》
税込価格 1,466円(本体価格1,333円)
内容 遠藤周作が晩年に到達した死生観とは? 壮絶な病との闘い、再会のメッセージなど文豪の生老病死をあますことなく記した感動の人間讃歌。



 また、逢える。再会のメッセージを残して、夫・遠藤周作は光に包まれて逝った。臨終の際、歓喜に満ちた表情となり、握られた手から託された「夫の宿題」。本書は、文豪の最愛の妻が記した愛と献身の闘病記。世にも美しい夫婦愛が世紀末の暗い闇に、輝かしい光を放つ。慶應義塾大学仏文科時代の出逢い、そして結婚。芥川賞の受賞『沈黙』誕生のエピソード。狐狸庵先生のユニークな趣味と好みの数々。父親としての遠藤周作、痛快交遊録や見聞録など。二人三脚で歩んできた、暖かく強い夫婦の絆が伝わる。遠藤周作が、長年病気と闘ってきた故に始めた「あたたかな病院運動」。くしくも最期の時に、薬害や医療トラブルが起き、未だ改善途上にある現代医療現場への思いを語る。戦後文学最後の大作『深い河』の強烈なインパクトの裏にある、文豪の思いとは? 臨終の際、確かに受け取ったメッセージの不思議とは? 心にしみわたる愛と勇気の物語、感動の書き下ろし。