あかんべえ
発売日
2002年03月15日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62077-0

あかんべえ

著者 宮部みゆき
主な著作 『模倣犯(上・下)』(小学館)
税込価格 1,980円(本体価格1,800円)
内容 江戸・深川の料理屋に化け物が現れた。娘・りんがその騒動を探るうち、恐ろしい過去の事件が浮かび上がり……奇想天外! 長編時代ミステリー。



 おりんの両親が開いた料理屋「ふね屋」の宴席に、どこからともなく抜き身の刀が現れた。成仏できずに「ふね屋」にいるお化け・おどろ髪の仕業だった。しかし、客たちに見えたのは暴れる刀だけ。お化けの姿を見ることができたのは、おりん一人。騒動の噂は深川一帯を駆け巡る。しかし、これでは終わらなかった。お化けはおどろ髪だけではなかったのである。

 なぜ「ふね屋」には、もののけたちが集うのか。なぜおりんにはお化けが見えるのか。調べていくうちに、30年前の恐ろしい事件が浮かび上がり……。死霊を見てしまう人間の心の闇に鋭く迫りつつ、物語は感動のクライマックスへ。怖くて、面白くて、可愛い物語のラスト100ページは、涙なくして語れない。

 オーソドックスな時代小説を思わせる始まりだが、物語はミステリーに、ファンタジーへと変化する。ストーリー・テラー宮部みゆきが、その技を遺憾なく発揮した、最高の時代サスペンス・ファンタジー!