中国融資を回収せよ
発売日
2002年03月26日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62156-2

中国融資を回収せよ

著者 藍正人著 《作家》
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 日本の金融業は過去に中国で痛い目にあっているが、その教訓は生かされているか。元大手銀行マンである著者が実体験を基に描く経済小説。



 WTO(国際貿易機関)加盟を機に、“巨大市場”の可能性や格安の人件費が日本の対中ビジネスブームに火をつけている。

 だが、中国ビジネスが多大なリスクを伴うことは、つとに指摘される。日本興業銀行において中国ビジネスに長年携わってきた著者は、金融業界をはじめ、多くの日本企業の中国における過去の失敗が教訓として生かされているのか、大いに疑問を抱いている。

 一方で著者は、本書の「あとがき」のなかで「皆さんに誤解していただきたくないのは、私が中国という『国家』に厳しい目を向けているからといって、中国人を忌避しているわけではないということであり、事実はむしろ逆である」と語る。著者が警鐘を鳴らしている対象は、対中ビジネスや「中国」そのもではなく、“戦略なき日本の対中投資ブーム”ではないか。

 架空の組織、人物を登場させながらも、実体験を基に、日本の対中ビジネスの落とし穴、中国の実態をリアルに描く問題提起の経済小説。