日本外交の情報戦略
発売日
2003年03月14日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-62734-2

日本外交の情報戦略

著者 岡崎久彦著 《外交評論家》
主な著作 情報戦略のすべて』(PHP研究所)
税込価格 792円(本体価格720円)
内容 北朝鮮拉致問題、米・イラク戦争など日本をとりまく国際情勢は緊迫している。国益に叶った意思決定とは何か。戦略的思考のエッセンス。



 北朝鮮問題、イラク攻撃、さらにアジアのパワーバランスはどうなるのか。21世紀、日本が生き延びるためには情報戦略の整備が不可欠である。具体策として、米国に倣い国家情報官(NIO)の設置を提言。わずか数億円でCIAと並ぶ組織が作れるのだ。

 アメリカは第二次大戦の教訓から学んで、情報の組織、システムを革命的に改善して情報大国となった。一方、かつての日本外交の失敗は、日英同盟の廃棄、真珠湾攻撃にあった。それは情報分析力の欠如により、アメリカの本質を読み違えたことにある。情報戦に破れて破滅した日本こそ、情報体制を立て直すべきであったが、戦後は経済再建に手いっぱいで、防衛とともに最も遅れた部門となっている。米国のCIAやNSAと日本の情報機関との格差はおそらく百倍以上であろう、と著者はいう。歴史の教訓を生かし、かつての失敗を繰り返してはならない――。煮え切らない外交政策を排し、確かな道筋を示した憂国の書。