ニュウニュウ
発売日
2003年07月18日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62975-9

ニュウニュウ
18カ月で娘を喪った哲学者の至上の愛

著者 周国平著
毛丹青監訳
泉京鹿訳
主な著作 <毛・主な著作>『にっぽん虫の眼紀行』(文藝春秋)
税込価格 2,200円(本体価格2,000円)
内容 哲学者は、娘を授かってはじめて愛の本質を知った。しかし、娘は既に病魔に冒されていた……。中国で百万人が涙した至高の手記。



 本書は、中国におけるニーチェ研究の第一人者である著者が、18か月で生を閉じた娘「ニュウニュウ(中国語で娘、女の子の意味)」の刹那の生涯を綴った手記である。

 はじめての子「ニュウニュウ」が誕生し、作者は理由のない愛の存在を知り、「一人前の人間になった」。その1か月後、ニュウニュウに眼底腫瘍が発見される。表面的にはすくすくと成長するわが子と戯れながら、夫婦は神を呪い、一切の慰めを拒否する。一方で、あまりにもむごいひとつの「決断」を巡り、夫婦は全人格をかけた対話を重ねてゆく……。

 中国では柳田邦男氏の『犠牲』と並び称され、100万人の読者を獲得して一種の社会現象ともなった。それはまた、長らく政治イデオロギーの影響力から脱し得なかった中国文学界に、真に自由で、真に人間的な国民文学が誕生したことを意味している。単なる「感動の大作」を超えた原題の古典を、作家毛丹青氏の監訳のもとにお届けする。