「アホウドリ」と生きた12年
発売日
1998年11月19日
判 型
A5判上製
ISBN
978-4-569-68139-9

「アホウドリ」と生きた12年
無人島と少年船乗りの物語

著者 岡本文良作
高田 勲絵
主な著作 『魔術師のくだものづくり』(くもん出版)
税込価格 1,496円(本体価格1,360円)
内容 江戸時代、嵐で船が漂流し、12年にわたって無人島暮らしを強いられた船乗りたちの物語。生きるための工夫と忍耐が心を打ちます。



 江戸時代、嵐で船が難破、漂流し、流れ着いた無人島で12年ものあいだ暮らした船乗りの物語。実話をベースにした実感あふれる創作童話である。 土佐の回船問屋の三十国船、太平丸が嵐にあい、帆と舵を失い、十日の漂流のすえ流れ着いたのは、無人の火山島であった。その島が、伊豆諸島の最南端にある鳥島であったことは今ではわかっている。 乗っていたのは四人の船乗りであった。まだ少年といってよい若さの長平、船頭の重助、それに幸六、甚兵衛である。漂着した日から、絶望に打ちひしがれた四人の、無人島で生き残るための闘いがはじまった。 長平たち船乗りの生存のための必至の工夫、一方で、季節ごとに訪れる鳥(アホウドリ)の群れが幸運な食料の一部になったこと、仲間の死、幼き日に出会った少女おゆうへの長平の思い、孤島からの脱出のドラマ……。読みごたえのある感動の物語である。