少女が知ってはいけないこと
発売日
2008年06月20日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-70101-1

少女が知ってはいけないこと
神話とおとぎ話に描かれた<女性>の歴史

著者 片木智年著 《慶應義塾大学文学部准教授》
主な著作 『ペロー童話のヒロインたち』(せりか書房)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 エヴァが禁断の果実を口にしてからというもの、女性は心を持つことを禁じられてしまった。その禁忌が解かれるまでの長い道のりを辿る。



 エヴァが禁断の果実を口にしたせいで、それまで何不自由なく暮らしていたエデンの園から、追放されることになってしまった。全ての災厄の原因は、エヴァだ、女性にあるのだ。女性にかけられたこの呪いが解かれるまでには、その後、とても長い時間が費やされることになる。

 ローマ時代、「心」と名付けられたプシュケと愛の神エロスの物語が登場するも、プシュケも呪いから解放されるまでには至らない。

 十八世紀、女性作家の登場で、新しいタイプのヒロインが描かれるが、彼女たちも殻を破ることはない。エデン神話からディズニーアニメ『美女と野獣』まで、呪いはどのような道を辿って解かれていき、女性は自身の「心」と「知」を獲得していったのか。

 これまで親しんできた物語たちが新鮮に見えてくる、大人のための物語論。