[新訳]怪談
発売日
2008年09月24日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-70302-2

[新訳]怪談
美しく切なくも儚い日本の不思議な物語

著者 ラフカディオ・ハーン著
湯浅卓編訳
税込価格 825円(本体価格750円)
内容 日本人以上に日本を知り、日本を愛した小泉八雲ことラフカディオ・ハーン。その創作の中でもっとも知られる名著に新進気鋭の訳者が挑む。



 二〇世紀初頭、「日本」を忘却し西洋的近代化に邁進する国家の姿があった。その時代に、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが、彼自身の人生の心血を注いで書き上げた英文の作品があった。それこそが『耳なし芳一』『雪女』などの名作で知られる『怪談―KWAIDAN』である。本作品は、その新訳本である。そして訳者は、TVなどでもお馴染みの国際弁護士である。バブル崩壊に突入するまで世界を席巻し続けた日本経済。その象徴的事件がニューヨークのロックフェラーセンターの日本側への売却であった。その事件で活躍した人物が、日本人としてのアイデンティティを再確認するために新訳したのが本書である。本書では、ハーンの文筆力が際立つ13作品を訳者が選び、翻訳している。ハーンの目には、西洋近代化を取り入れるまでもなくすでに内包していた日本の文明・文化力の素晴らしさが見えていた。その想いが本書の不思議な物語から感じ取れるにちがいない。