本当の武士道とは何か
発売日
2019年12月13日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-84561-6

本当の武士道とは何か
日本人の理想と倫理

著者 菅野覚明著 《皇學館大学特別招聘教授、東京大学名誉教授》
主な著作 『神道の逆襲』『武士道の逆襲』(以上講談社)
税込価格 990円(本体価格900円)
内容 「武士道論」の大半は、近代になって流布されたもの。血まみれの現場を生き抜いた武士たちが形成した真の「戦闘者の心得」とは?



 巷間、多くの武士道の書物や武士に関する小説が出回っている。だが、現代人が書いた武士道に関する書物の多くは、実際に武士が語った原典をほとんど読まぬまま書かれているようである。武士を近代的な感覚で描いているものもあり、そこから武士の生き方を思い描いてしまうと、武士の実像を大きく見誤ることになる。本書で論じている武士道とは、あくまでも実際に現場で刀を振るって血まみれになり、武士として生き抜いてきた人々が形づくった「現場の感覚から出た思想」、すなわち、本当の武士道である。かつて実際に世に存在していた武士たちには、功利や損得哲学よりも、はるかに大切にしていた精神や価値観があった。現場の感覚をふまえた武士道は、どういうものであるか。その道徳とはどのようなものか。そして、それらは現代を生きる日本人にいかなる「力」を与えてくれるのか。武士が語った原典を確認しながら、その「死の覚悟」の基底にあるものに迫る。