第二次世界大戦とは何だったのか
発売日
2022年02月21日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-85155-6

第二次世界大戦とは何だったのか
戦争指導者たちの謀略と工作

著者 渡辺惣樹著 《日米近現代史研究家》
主な著作 『誰が第二次世界大戦を起こしたのか』(草思社)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 なぜ、日本は欧州の戦争に巻き込まれ、英米と戦うことになったのか。大戦の勝者は「共産主義」ソ連という視点から、歴史を読み解く。



 本書は、新発見の、あるいはこれまで省みられなかった資料を利用し、おざなりの(リベラル歴史家に都合の良い)解釈で終わっている重要事件の深掘を試みるものである。

 たとえば、第二次世界大戦の前哨戦ともいわれるスペイン内戦だが、その実質は共産主義政府(スペイン共和国人民戦線政府)に対する反共産主義勢力(フランコ反乱軍)の戦いであった。しかし、一般書ではスペイン政府を「共和国」と記述するばかりで、当時の共和国が実質「スペイン社会主義共和国」であったことを書かない。

 また、第二次世界大戦期およびそれに続く冷戦期において、米民主党政権(ルーズベルト政権およびトルーマン政権)内に多くのソビエトスパイが潜入していたことを示すヴェノナ文書が発表されており、ソビエト崩壊後の1990年代から多くのソビエト側資料も出ている。これにより、一般歴史書の記述の修正が必要だが、リベラル歴史家による積極的な解釈の見直しの動きはない。

 本書によって、読者の歴史観は少なからず立体化し、合理的歴史解釈醸成の一助となるだろう。