書籍

- 発売日
- 2023年12月01日
- 判 型
- 文庫判
- ISBN
- 978-4-569-90370-5
日本史の謎は「地形」で解ける【日本人の起源篇】
著者 | 竹村 公太郎著 《元国土交通省河川局長》 |
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主な著作 | 『日本史の謎は「地形」で解ける』(PHP研究所) |
税込価格 | 924円(本体価格840円) |
内容 | 9年ぶりのシリーズ第4弾! 「日本語はなぜ発生音が少なく語彙が豊かなのか」「氷河期、日本人はどこにいたのか」などの謎を解く。 |
日本語は世界の中で異常といっていいほど特異な言語である。まず発声音数が少ない。日本語の発声音数は、母音と子音の組み合わせで、せいぜい120個前後である。それに対し、韓国語はおよそ500、英語はおよそ2000、そして中国語は強弱の変化も含めて何千あるか数えきれないという。もちろんその発声音数はほぼ子音で占めている。
さらに日本語には異様に語彙が多い。普通の米国人の大人が会話するのに必要な語彙は5000語で十分足りるという。それに対して日本の小学6年生の児童が知識として必要な語彙は約3万語である。
日本語の発生音数が少なくなったことの背景には、日本人が異民族に襲撃されることが少なかったためだと著者は分析する。そのため「おおらかで無防備な、母音中心の言語」が醸成されたのだ。そして異民族に侵略されなかった理由の一つに、日本列島とユーラシア大陸の間に、流れの強い幅約200㎞の対馬海流の壁が立ちはだかったことが挙げられる。いわば対馬海流が、日本語の「特殊さ」を守ってきたといえよう。なぜ、異民族からの襲撃が少ないと母音中心の言語になるのかは、本書を読んでいただきたい。一方、日本語の語彙がかなり増えたことの要因は、全国に張り巡られた「水運ネットワーク」だと指摘している。
日本語の起源に地形の観点から迫る論考のほか、「ヒトはなぜ、直立二足歩行したのか?――サバンナ説とアクア説」「日本人は12万年前からの氷河期を、どうやって生き延びたのか?」といった日本人の起源に関わる謎解きや、著者がずっと追いかけてきた「赤穂浪士の討ち入りの謎」の完結篇などを収録。長年ダムや河口堰の建設に携わり、日本の地形を熟知する著者が、「気宇壮大だけど地に足が着いた謎解き(養老孟司氏)」を展開する。
【目次より】
●第1章 日本語はなぜ特異な言語となったのか
●第2章 ヒトはなぜ、直立二足歩行したのか?
●第3章 日本人の「命の源」である季節風はなぜ吹くのか
●第4章 ピラミッドの「からみ工法」はなぜ生まれたのか
●第5章 なぜ日本人はロボットを仲間だと見なすのか
●第6章 工業地帯に囲まれた東京湾の魚介類がなぜおいしいのか
●第7章 なぜ中部地方でモノづくりがさかんになったのか
●第8章 「赤穂浪士の討ち入り」謎解き完結編
●第9章 国土を造った「流域」は、なぜ崩壊し、なぜ再生するのか
●第10章 日本文明インフラの礎である「治水の原則」とは?
●第11章 なぜ1930年代生まれの行政官たちは、驚くべき判断を下したのか
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