頁数/仕様
136ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2023年6月
在庫
在庫あり

脂肪肝は善玉菌を増やす「腸回復」で改善できる!

脂肪肝の予防改善は良好な腸内環境とメタボ解消が効果的! 沈黙の臓器・肝臓は「気づいたときはもう手遅れ」。そうなる前に今すぐできる食事・運動習慣、生活術などを紹介。
著者(肩書) 冨田謙吾《防衛医科大学校内科学講座(消化器)准教授》
税込価格 1,430円   (本体価格:1,300円)
対象 一般
頁数/仕様 136ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2023年6月

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健康診断や人間ドックで『脂肪肝』と診断されても、それほど深刻に受け止める人は多くないと思われます。「最近ちょっとお酒を飲みすぎたかな?」くらいの感覚で、放置している人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

実は近年の研究で、脂肪肝とひと口にいっても、発症した原因や背景因子により、進行の仕方が大きく異なることがわかってきました。
脂肪肝というと、お酒をよく飲む人に起こりやすい印象が強いと思いますが、近年はむしろ、「飲酒量の少ない、他の肝臓病もない」タイプの脂肪肝が、日本を含む先進諸国を中心に全世界で急増し、“21世紀の肝臓病”として注目を集めています。「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)(ナッフルディー)」と呼ばれる脂肪肝です。
NAFLDの中には、命を脅かす“危険な脂肪肝”が存在します。“危険な脂肪肝”を放置すると、これといった自覚症状のないまま、肝硬変や肝臓がんに進展したり、さらには心筋梗塞・脳梗塞、慢性腎臓病、糖尿病のほか、大腸がん・乳がんなどの各種がんの発症にもつながりやすいことが知られています。
つまり、脂肪肝というのは実は「万病のもと」であり、脂肪肝と診断された場合は軽視せずに適切に対応していただきたいというのが、消化器内科医であり、肝臓を専門とする私の願いでもあります。
危険な脂肪肝を見分けるポイントは、「肝臓の硬さ」です。脂肪肝というと、肝臓にたまる脂肪の量ばかりが注目されがちですが、実際には脂肪の蓄積量より、肝臓が硬くなることのほうがハイリスクであることがわかっています。
肝臓を硬くする最大の原因は「メタボリックシンドローム」です。メタボリックシンドロームの各因子(内臓脂肪型肥満、脂質異常症、高血圧、高血糖)が、肝臓に多大な悪影響を及ぼし、やがて全身をむしばんでいくのです。

そこで数年前から、メタボリックシンドロームの因子を背景に持つ脂肪肝については、飲酒歴や他の背景肝疾患の有無に関係なく、すべて「MAFLD(マッフルディー)(代謝異常関連脂肪性肝疾患)」という新たな概念でひと括りにし、有効な治療につなげていこうという動きが、世界の消化器内科や肝臓専門医の潮流となっています。
そうした脂肪肝に関する新しい情報を、患者さんはもとより、他科の医師との間でも充分に共有できていないことが脂肪肝に対する危機感を弱め、“危険な脂肪肝”の急増につながっていることを痛感し、今回、本書を上梓することにしました。
ただし、MAFLDという概念は確立してから歴史が浅いため、MAFLDに関するエビデンス(科学的根拠)は充分に揃っていません。他方、MAFLDと同様に、メタボリックシンドロームを背景因子として発症・進展するNAFLDの研究は進んでいることから、本書ではNAFLDの話を中心に取り上げていきます。
NAFLDとMAFLDは異なる疾患概念ですが、重なる部分が多く、どちらも“危険な脂肪肝”を含んでいることは共通しています。そして、“危険な脂肪肝”であっても、早期に発見し、早期に対処することにより、健康な状態に戻すことが可能です。
NAFLD、MAFLDにかかわらず、“危険な脂肪肝”の予防と改善の最大のカギを握るのが「腸」です。
肝臓は腸管から真っ先に血液が流れ込む臓器なので、腸内環境の影響をダイレクトに受けます。腸内環境が乱れていれば脂肪肝を悪化させる重大因子になる一方、腸内環境をよい状態に保つことが、脂肪肝の予防と改善の決め手となります。

本書では、脂肪肝とはどういうものかを説明したあと、脂肪肝の進行レベル(肝臓の硬さ)を自分でチェックできる方法や医療機関での検査法、さらには腸内環境を良好に保つ生活習慣および最新の治療法などについて紹介していきます。
脂肪肝に対する正しい知識を持っていただき、その予防と管理に努めることが、人生100年を豊かなものにするうえで非常に大切となります。本書の内容により、一人でも多くの人が、その恩恵に与ることができれば、本当に嬉しく思います。  (「はじめに」より)

【PART1】脂肪肝を侮ってはいけない!
・脂肪肝は体が危機的状況に向かいつつあるサイン
・「NAFLD」と「NASH」
・メタボリックシンドロームの合併で重症化
・NAFLDの有病率が世界的に増加
・肝臓に脂肪がたまるしくみ
・NAFLDを進行させる最大の元凶は「内臓脂肪」
・日本人は太っていなくてもNAFLDを発症しやすい
・NAFLDでは全身疾患の発症・進行にも注意が必要
・NAFLDの進行は肝臓の「硬さ」が目安となる
・肝硬変を促す主役は「肝星細胞」
・肝臓の脂肪蓄積量と肝臓の硬さは関係しない
・「MAFLD」という新しい概念が生まれた背景

【PART2】腸内環境の乱れが脂肪肝を進行させる
・外界から肝臓を守る腸のバリア機能
・腸内細菌は平常時は人体と平和に共生している
・リーキーガット症候群は肝障害を引き起こす
・善玉菌由来の「短鎖脂肪酸」は脂肪肝の改善に働く
・リーキーガット症候群が起こる原因
・アルコール性肝障害もリーキーガットが引き金に

【PART3】脂肪肝のセルフチェックと医療機関での検査
・脂肪肝対策は「早期発見・早期治療」が大原則
◇脂肪肝のセルフチェック(1)基本編
◇脂肪肝のセルフチェック(2)生活習慣編
◇脂肪肝のセルフチェック(3)脂肪肝である確率
◇医療機関での検査(1)腹部超音波検査
・「肝臓の硬さ」セルフチェック
◇医療機関での検査(2)超音波エラストグラフィ検査
◇医療機関での検査(3)超音波減衰法検査
◇医療機関での検査(4)NASHの確定診断に必須の「肝生検」
・NAFLD診断後の経過観察での留意点

【PART4】脂肪肝は「腸回復」で予防・改善
・脂肪肝の多くは腸内環境を整える食事と運動で解消できる
◇腸回復のための食習慣(1)善玉菌のエサになるものを食べる
◇腸回復のための食習慣(2)善玉菌そのものを食べる
◇腸回復のための食習慣(3)善玉菌のエサと善玉菌を合わせて食べる
◇腸回復のための食習慣(4)脂質(飽和脂肪酸)の摂りすぎは控える
◇腸回復のための食習慣(5)オメガ3とエクストラバージンオリーブオイル
◇腸回復のための食習慣(6)コレステロールは要注意
◇腸回復のための食習慣(7)果糖や人工甘味料の摂りすぎに注意
◇腸回復のための食習慣(8)ポリフェノールとコーヒー
◇腸回復のための食習慣(9)「地中海食」のすすめ
◇腸回復のための食習慣(10)朝食とカロリー制限
◇腸回復のための食習慣(11)ひと口30回。よくかんで食べる
◇腸回復のための運動習慣(1)有酸素運動
◇腸回復のための運動習慣(2)レジスタンス運動
◇腸回復のための運動習慣(3)腸内環境を整えるうえでも有効
◇腸回復のための生活習慣(1)「禁酒」が原則
◇腸回復のための生活習慣(2)睡眠不足にも要注意
・メタボ解消がNAFLD対策の基本
・腸内細菌をターゲットとした将来の治療