頁数/仕様
208ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2023年10月
在庫
在庫あり

心と体が整う 「おうち薬膳養生」12か月

冷え、花粉症、熱中症、イライラ……。季節ごとに起こりやすい心身の不調に対しての「食べ方」や「暮らし方」を解説。「薬膳養生カレンダー」を参考に養生を始めましょう!
著者(肩書) 瀬戸佳子《国際中医薬膳師、国際中医専門員》
主な著作 『1週間でからだが変わる いちばんやさしい気血養生』(PHP研究所)
編集等
税込価格 1,650円   (本体価格:1,500円)
対象 一般
頁数/仕様 208ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2023年10月

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皆さんは季節にどんな印象を持っているでしょうか。二十四節気という言葉を聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。
季節によって何か影響があるの? と思うかもしれません。はたまた、立春だの冬至だの天気予報では聞くけれども、風情や教養のある人が知っていることでしょう? と思うかもしれません。季節の話をすると、現在はネガティブな面ばかりが見えるかもしれません。冬は寒い、夏は暑い、梅雨は湿気が多くて、春は花粉症で天候が変わりやすくて……どの季節も辛いと言われる方がたくさんいらっしゃいます。

特にここ数年は猛暑が続き、大規模な自然災害も起こり、気候の激しさが増していると感じる人も多いのではないでしょうか。無用の長物のように感じる季節の言葉ですが、実は体調を管理したり整えたりするのにとても重要な役割を担っているのです。

私は夫の鍼灸治療院で日々、患者様に漢方をお出ししたり、薬膳のアドバイスをしたりしています。体の不調というのは実にいろいろな要因で起きています。1つの要因ということはまずなく、大抵は複数の要因が重なって起きています。
その中でも季節に影響を受けた要因はとても多いです。体質や生活習慣などさまざまな要因がありますが、季節に関係した要因がない人はほぼいません。
例えば、夏は熱中症や夏バテがありますが、この暑さや湿気への対策、皆さんはどうやってしているでしょうか。
クーラーをしっかりつける? 水分補給を心がける?
もちろんそれらも大切なことです。でも東洋医学の知恵を使えば、実は自分でできる対処法がもっとたくさんあるのです。昔の人たちはクーラーも冷蔵庫もない時代でも季節を上手に乗り切るように気をつけてきました。それは「季節に体を合わせて過ごす」ということです。昔の人は季節に対応できなければ死んでしまう可能性が高かったわけですから、季節に対応できるかは一大事だったのです。

東洋医学の礎となる『黄帝内経』の「四気調神大論」には、季節による過ごし方が書かれています。季節ごとの生活養生や、どんな心持ちで過ごすべきかが載っているのです。また、「五運六気」といって、その年の天候を予測する内容もあります。農業をはじめ、国を治めることに天候が大きく影響する時代で、現代より天候の予測が重要視されていたのだと思います。そして病になって倒れないためにも、この天候を知ることが大切だったのです。
東洋医学には三因制宣という言葉があります。
因人、因時、因地、つまり、体質によって、季節によって、住んでいる土地によって、治療法を考えるということです。
最近では気象病という言葉も見受けられるようになりましたが、気温や気圧など天候によって不調となる症状のことを指すようです。実は東洋医学ではずっと昔から気象病といえるものを取り扱ってきました。

季節に合わせた過ごし方ができれば、季節から受ける不調の要因がぐっと減るわけです。季節に合わせてうまく過ごすことができないために、その季節だけでなく、1年中不調になってしまっている人もいます。私たちは季節をコントロールすることはできません。暑い夏に逆らって過ごせば熱中症になりますし、雨の多い秋に逆らえば体のむくみも増します。逆に季節、天候に合わせて過ごせば、大きな不調もなく心穏やかに楽しく過ごせるのです。

季節は悪い面ばかりではなく、良い面もたくさんあります。その良い面を享受できるようになれば、自然の力を味方につけて、もっと元気になることもできるのです。季節の養生は季節を重ねるごとに少しずつ体も心もラクになってきます。1か月後、3か月後、1年後にはきっと、季節の移ろいが楽しめていると思います。  (「はじめに」より)

【知っておきたい薬膳のこと】
・そもそも薬膳って?
・季節の養生が体にいい理由
・体が喜ぶ! 季節の薬膳養生6か条
≪Column≫食材は「地域」「天候」に合わせて食べればいい

【春の薬膳養生】
・春の特徴
・春の養生とは?
■2月(如月)
2月の不調
(1)花粉症
(2)皮膚のかゆみ、じんましん
■3月(弥生)
3月の不調
(1)春のイライラ
(2)目の不調
■4月(卯月)
4月の不調
(1)胃痛・胃もたれ
(2)めまい
・春のツボ養生

【夏の薬膳養生】
・夏の特徴
・夏の養生とは?
■5月(皐月)
5月の不調
(1)体のだるさ、五月病
(2)口や喉の渇き
■6月(水無月)
6月の不調
(1)夏バテ、食欲不振
(2)むくみ
■7月(文月)
7月の不調
(1)熱中症
(2)冷房病
・夏のツボ養生

【秋の薬膳養生】
・秋の特徴
・秋の養生とは?
■8月(葉月)
8月の不調
(1)頭痛・肩こり
(2)喉の痛み・口内炎
■9月(長月)
9月の不調
(1)疲れやすい、やる気が出ない
(2)汗が止まらない、出すぎる
■10月(神無月)
10月の不調
(1)から咳
(2)肌の乾燥
・秋のツボ養生
≪Column≫秋は五官器を養う

【冬の薬膳養生】
・冬の特徴
・冬の養生とは?
■11月(霜月)
11月の不調
(1)老化
(2)物忘れ
■12月(師走)
12月の不調
(1)冷え
(2)腰痛
■1月(睦月)
1月の不調
(1)カゼ
(2)食べすぎ、飲みすぎ
・冬のツボ養生
・東洋医学の基本の考え方(1)陰陽五行説
・東洋医学の基本の考え方(2)薬膳的食材の考え方