頁数/仕様
160ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版
2022年10月
在庫
在庫あり

60歳からは薬を5種類以下に減らしてボケない脳になる!

加齢による薬の効き過ぎや多剤併用の害が、あなたの認知機能をむしばんでいるかもしれません。薬との付き合い方を考えて、薬漬けにならないための対処法をわかりやすく紹介。
著者(肩書) 秋下雅弘《東京大学大学院医学系研究科 老年病学教授》
主な著作 『看護・介護現場のための高齢者の飲んでいる薬がわかる本』(医学書院)
編集等
税込価格 1,430円   (本体価格:1,300円)
対象 一般
頁数/仕様 160ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版 2022年10月

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近年、人々の薬に対する考え方は、「もらう薬は少ないほうがよい」「不要な薬は飲まないほうがよい」という方向へ変わりつつあるようです。薬というのは、どのようなものであっても何かしらの副作用はつきものですから、患者さんの側がこのような意識をもたれるようになってきているのは歓迎すべきことです。
しかしながら、私が専門とする高齢者医療の現場では、残念ながらまだまだ多くの種類の薬が処方されているのが現状です。そのため多剤併用による有害な事象が生じていて、いかに高齢者が薬漬けにならないようにするか、減薬を進めていくかが医療の場での引き続きの課題になっています。
本書は、ともすれば薬の種類が増えてしまう状況に備えて、「多剤になることの影響」「飲むのに注意を要する薬の種類」「薬を減らす生活の仕方」の3つのパートに分けて、薬との上手な付き合い方を紹介しています。
服用に注意が必要な「高齢者」とは75歳以上の高齢世代の方ですが、ご自身がこの世代に入っている方はもちろん、高齢のご家族を介護されている方、生活習慣病が増えていく50代後半から60代の方にも参考にしてもらえるように内容をまとめました。
たくさんの薬を服用することの弊害は、さまざまな副作用が出やすくなるだけでなく、脳の認知機能にも少なからず影響を及ぼしてしまう点にあります。
「脳を守る」という観点からも、ぜひ「薬をもらえば治る」「病院に行けば薬を出してもらえる」といった考え方を改めて、必要のない薬はもらわない生活、減薬につながる生活の仕方を意識して、薬と賢く付き合っていっていただきたいと思います。
本書が、そのためのひとつの指針となれたら大変うれしく思います。  (「はじめに」より)

【PART1】年齢とともに変わる薬の効き方
・年齢を重ねるごとに増えていく薬
・70代後半からは「多剤併用の害」が起こりやすい
・5種類と6種類の間にリスクの境界線がある
・「昔から飲んでいる薬だから大丈夫」は通用しない
・高齢になると若いときに比べて薬が効き過ぎてしまう!?
・全国でも珍しい「老年病科」とは
・怖いのは薬の認知機能への影響
・「処方カスケード」が脳をむしばんでいく
・60歳を過ぎたら薬との付き合い方を考え始めよう
《コラム》簡単フレイルチェックをやってみよう

【PART2】脳を守るために見直したい「薬との付き合い方」
・本当に必要で飲んだほうがいい薬は排除しない
・なぜ60歳から見直したほうがいいのか
・認知症に似た「せん妄」を引き起こす薬がある
・抗コリン作用のある薬は認知機能障害をきたしやすい
・漢方薬は「1種類でも多剤」と考える
・減薬では薬に優先順位をつける
・うまく付き合いたい身近な薬
(1)コレステロールの薬
(2)糖尿病の薬
(3)抗菌薬(抗生物質)
(4)鎮痛薬
(5)胃薬
(6)骨粗しょう症の薬
(7)高血圧の薬
・高齢者が飲まないほうがいい薬がある
■高齢者は気をつけたい「慎重投与薬」
・抗精神病薬
・睡眠薬
・抗うつ薬
・スルピリド(うつ病、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の薬)
・パーキンソン病治療薬(抗コリン薬)
・ステロイド(経口)
・抗血栓薬
・ジギタリス(強心薬)
・利尿薬(高血圧治療薬)
・β遮断薬(高血圧治療薬)
・α遮断薬(高血圧治療薬)
・第一世代H1受容体拮抗薬(抗アレルギー薬)
・ヒスタミンH2受容体拮抗薬(胃薬)
・制吐薬
・緩下薬
・糖尿病薬
・インスリン
・過活動膀胱治療薬
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

【PART3】今日から始める減薬生活
・減薬するための医療関係者との付き合い方
(1)自己判断で急にやめないで相談する
(2)使っている薬は必ず伝える
(3)飲んでいるサプリメントや健康食品、市販薬の情報は主治医に教える
(4)むやみに薬を欲しがらない
(5)かかりつけ薬局を決める
・若い頃とは違うということを意識する、若いときと同じとは思わない
・薬がいらない生活習慣の実践も減薬のコツ
・中性脂肪を増やさない食べ方の工夫
・骨を強くする運動で骨粗しょう症は防げる
・野菜ジュースと軽い運動で便秘知らずに
・夜間頻尿には午後の散歩
・脳トレと階段の昇り降り運動が認知症を遠ざける