自然治癒力を高める
家庭でできる　身近な「薬用植物」養生

私が園長を務めている明治薬科大学の薬用植物園には、国が認めた医薬品に用いられる生薬の基になっている植物、民間で薬草、薬用植物として用いられている山野草類、樹木類など多種多様な植物が集められています。
なかには希少な種類もありますが、皆さんが野原や道端、公園、自宅の庭などでよく見かける植物も「薬草」として顔を並べていますので、訪れたらきっと「え!?　こんな草も!?」と驚かれるかもしれません。
そう、じつは“ジャマな雑草”や“そこに生えている野草”としか思っていなかったものの中には、意外にも薬効をもつものがたくさんあります。
たとえばハコベやオオバコ、ツユクサ、スギナ、そしてドクダミ……。庭で見かけたら、雑草扱いですぐさま引き抜きたくなるような草たちも、びっくりするような薬用パワーをもっているのです。

日本では昔から、医食同源の養生思想からも、さまざまな野草が食用として、あるいは薬用として利用されてきました。
わざわざお金を出して健康茶を買わなくとも、身近にある植物を活用すれば、簡単に手作りすることができますし、入浴剤や外用薬、化粧水も作ることができます。
しかも多くは食べることができますので、自然の力を使いながら、おいしく楽しく自然治癒力を高め、健康を保つことができるでしょう。

本書では身近な野草や樹木を中心に、さらに一部の野菜・食材なども加えて、“クスリになるもの・できるもの”を紹介しています。
煎じ方や用いる際の注意なども記してありますので、それらを参考に、ぜひ身の回りにある薬用植物を暮らしの中にとりいれた養生生活を実践してみてください。　　（「はじめに」より）

●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（1）ツユクサ
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（2）イノコヅチ
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（3）ドクダミ
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（4）ヨモギ
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（5）タンポポ
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（6）オオバコ
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（7）スギナ
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（8）ウド
●煎じて飲むとよい身近な薬用植物（9）イタドリ
・失敗しない薬用植物の煎じ方

【PART1】もっと知りたい！　身近な薬用植物
・アカマツ
・アカメガシワ
・アケビ
・アサツキ
・アザミ
・アシタバ
・アズキ
・アマチャヅル
・アマドコロ
・アロエ
・イカリソウ
・ウコギ
・ウツボグサ
・ウマブドウ
・ウメ
・エビスグサ
・エンジュ
・オケラ
・オランダガラシ
・カキ
・カキドオシ
・カタクリ
・カリン
・カワラナデシコ
・キキョウ
・キササゲ
・ギシギシ
・キハダ
・ギョウジャニンニク
・キンミズヒキ
・キンモクセイ
・クコ
・クズ
・クチナシ
・クワ
・ゲンノショウコ
・ゴボウ
・コンニャク
・ゴーヤ
・サトイモ
・サネカズラ
・サフラン
・サルトリイバラ
・サンシュユ
・サンショウ
・シソ
・シャクヤク
・ショウガ
・シラン
・スイカズラ
・スイバ
・セリ
・センブリ
・ソバ
・ダイコン
・タネツケバナ
・タラノキ
・ツバキ
・ツリガネニンジン
・ツルナ
・トウモロコシ
・ナズナ
・ナンテン
・ニラ
・ネズミモチ
・ネムノキ
・ノダケ
・ノビル
・ハコベ
・ハス
・パセリ
・ハトムギ
・ハハコグサ
・ヒキオコシ
・ヒルガオ
・ビワ
・フキ
・ヘチマ
・ベニバナ
・マタタビ
・ミツバ
・モモ
・ヤナギ
・ヤブカンゾウ
・ユキノシタ
・ユズ
・ユリ（オニユリ、ヤマユリ）
・リュウノウギク
・レンゲソウ
・ワサビ
・ワレモコウ

【PART2】薬用植物を使った　自分でできる手当て
●梅を使った自分でできる手当て（1）梅干し
●梅を使った自分でできる手当て（2）梅酒
●梅を使った自分でできる手当て（3）梅黒焼き
●梅を使った自分でできる手当て（4） 梅肉エキス
●大根を使った自分でできる手当て　大根湯
●ビワを使った自分でできる手当て　ビワの葉湿布
●生姜を使った自分でできる手当て　生姜の温湿布
●ヨモギを使った自分でできる手当て　ヨモギオイル
●薬用植物を使った自分でできる手当て　入浴剤