頁数/仕様
128ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2022年12月
在庫
在庫あり

弱った体がよみがえる! 「亜鉛」健康法

肌が荒れる、毛が抜けやすい、爪がもろくなった、味がわからない、元気が出ない……その不調は亜鉛不足が原因かも。亜鉛の効果的な摂り方や亜鉛たっぷりレシピを紹介。
著者(肩書) 栗原毅《栗原クリニック東京・日本橋院長》
宗像伸子《管理栄養士》
主な著作 『[糖尿病]ヘモグロビンA1cをラクに下げる がんばらない食べ方』(PHP研究所)
編集等
税込価格 1,430円   (本体価格:1,300円)
対象 一般
頁数/仕様 128ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2022年12月

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今、なぜ亜鉛が注目を浴びているのでしょうか。健康な生活を送るためには必要不可欠であるにもかかわらず、日本人に不足している栄養素の「亜鉛」。亜鉛は、16種類ある栄養素として重要なミネラルの仲間です。元素あるいは金属のイメージが強いですが、栄養素としても重要なのです。

栄養素としての亜鉛について考えてみましょう。生命活動を行なうためには、エネルギーが必要となります。そのエネルギー源となるのが炭水化物、脂質、たんぱく質の三大栄養素。この三大栄養素のエネルギー代謝を円滑に行なうために欠かせないものが、ビタミンとミネラルです。三大栄養素と比べて、必要量がわずかなので、微量栄養素と呼ばれています。
これらの栄養素はたくさん摂ればよいというわけではありません。栄養素はバランスよく摂取することが大切になります。特定の栄養素を多く摂りすぎると過剰症になり、少なすぎると欠乏症におちいります。すべての栄養素を必要量摂ることは簡単ではありませんが、できるだけ多くの食材を食べるようにすると、栄養素のバランスが自然と取れてくるものです。本書では、今まであまり語られなかった亜鉛を易しく解説しながら、管理栄養士の宗像伸子氏に、亜鉛を効率よく吸収するレシピを紹介していただきました。
ビタミンは13種類あり、ほかの栄養素の吸収や代謝を助けたり、皮膚や血管などの健康に貢献しています。一方、ミネラルは体の機能を正常に保つはたらきをしながら骨や血液などの材料となっています。いずれも大切なものですが、「ビタミン不足にならないよう野菜をとるようにしている」など、ビタミンに対する関心は非常に高いのに対し、ミネラルには無頓着な人が多いように感じます。だからなのか、ビタミンもミネラルも体内で合成できないため食事から摂取しなければなりませんが、日本人の食事はミネラル不足におちいりやすく、ミネラル不足の方が急増しているのです。

さて、本書のテーマは「亜鉛」。人間の体内にとって必要不可欠な「必須ミネラル」の一つです。そして亜鉛は、体にわずかしか存在していませんが、体のあらゆる場所で様々にはたらき、生命維持のために大事な役割を担っています。
亜鉛不足からおこる症状も様々です。生殖機能障害が亜鉛不足によってもおこることが、亜鉛が注目された先駆けともいえますが、最近では、味覚障害がよく知られるようになりました。味覚を感じるのは、舌にある味蕾(みらい)の中の味(み)細胞から味覚神経を通して脳にある味覚中枢へ情報が送られるためです。味細胞は短いターンオーバーで生まれかわりますが、その際に亜鉛が必要となります。亜鉛が不足すると、味細胞が再生しないために、「味がわからない」「本来の味とは違う」などの味覚障害がおきてきます。
また、亜鉛は皮膚や髪の毛のもとになるたんぱく質の合成に関わっており、亜鉛が不足すると、肌荒れや髪のぱさつきなどがおこります。さらに亜鉛は、たんぱく質から新しい細胞を作るために必要となり、たんぱく質と一緒に摂ることで新陳代謝がよくなり、免疫力を上げることで風邪など感染症の予防効果が期待されています。
自分の健康は自分でしっかり管理しなくてはならない時代となりました。本書を通じて亜鉛に関心をもち、元気に長生きする第一歩にしていただきたいと思います。  (「はじめに」より)

【第1章】その不調は亜鉛不足が原因かもしれません
1 亜鉛欠乏症は様々な体調不良の原因となります
■その体調不良は亜鉛不足かもしれません
・亜鉛欠乏チェックリスト/亜鉛欠乏症の診断/亜鉛欠乏症はイランで発見
2 亜鉛は体中で、様々なはたらきをしています
■亜鉛は全身ではたらいています
・300もの酵素の材料に/インスリンにも亜鉛が必要/細胞分裂にも不可欠/新型コロナウイルス感染症の治療にも
3 日本人には亜鉛が不足しています
■五大栄養素と亜鉛は関係が深いのです
・五大栄養素とは/一日の亜鉛推奨摂取量
4 薬品にも使用されている亜鉛は、私たちの生活に身近な鉱物です
■軟膏や胃潰瘍薬にも使われています
■5円玉、10円玉にも含まれます
5 知らず知らずのうちに亜鉛不足におちいっているかもしれません
■こんな人たちが亜鉛不足になりがちです
・肉や魚を食べない人や食が細い人/腸でうまく吸収できない人/亜鉛の必要量が増えた人/排出される亜鉛が多い人
《column1》子どもの成長に欠かせない亜鉛

【第2章】亜鉛は心と体をととのえます
1 美肌、美髪、美爪の健康的な亜鉛美人を目指しましょう
■亜鉛のサポートでみずみずしい肌を取り戻します
■酵素5αリダクターゼを阻害して抜け毛をふせぎます
■健康な爪を取り戻します
2 亜鉛で、味覚や消化管のはたらきを高めましょう
■いくつになっても美味しいものを味わいましょう
■亜鉛不足は消化管のはたらきを低下させます
3 感染症撃退には、亜鉛をとって免疫力を高めましょう
■体内では免疫細胞チームが感染症と戦っています
■亜鉛は新型コロナウイルスなどのRNAの複製を阻害します
4 脳の神経細胞をつなぐ亜鉛は、認知症にも影響があります
■亜鉛は神経細胞同士をつなぎます
■海馬にも亜鉛が多く含まれています
■認知症に亜鉛は深くかかわっています
5 亜鉛由来の抗酸化物質で、健康寿命を延ばしましょう
■何歳まで健康でいられるでしょうか
・健康と病気の間、フレイル状態
■抗酸化酵素で健康を取り戻しましょう
6 亜鉛で肝臓をサポートしましょう
■肝臓の不具合で亜鉛が欠乏し、それがさらに肝臓を悪くします
■亜鉛は肝臓を守ります
7 亜鉛でインスリンをサポートしましょう
■亜鉛はインスリンの合成に必要です
■血糖値が気になる人には強い味方になります
8 目のアンチエイジングにも亜鉛が効きます
■老眼から始まる目の老化をふせぎます
■緑内障は視神経に障害がおこります
■亜鉛は加齢黄斑変性の進行を抑えます
9 更年期をすぎたら、テストステロンで元気になりましょう
■更年期後は37年もあります
・「テストステロン」で元気ハツラツ
■脳の海馬でもテストステロンが作られています
■男性にも更年期があります
■爽やかで元気な自分を取り戻しましょう
《column2》子どもの精神面にも欠かせない亜鉛

【第3章】亜鉛を上手に食べましょう
1 亜鉛を多く含む食材は、いろいろあります
■肉や魚介類に多く含まれます
2 女性8㎎、男性11㎎の亜鉛を毎日とりましょう
■亜鉛は美味しいおかずに多く含まれています
■バランスのよい食事なら自然に亜鉛はとれます
・亜鉛の吸収を阻害するものもある/亜鉛の摂取上限値もある
3 バランスのよい食事が、亜鉛がとれる食事です
■亜鉛が不足するような食生活では他の栄養素も不足しています
一汁三菜をイメージして/頭の中に4つの栄養群をイメージして
4 高齢で元気な人は食事のバランスがいいのです
■食事のバランスがよいと食事が美味しく、さらに健康になれます
■調理法を工夫して食べやすくしましょう
《column3》思春期の発達に欠かせない亜鉛

【第4章】毎日おいしくたっぷり食べましょう「亜鉛レシピ」
1かきの卵とじ
2かきと豆腐のみそ炒め
3うなぎと野菜の中華風炒め
4うなぎずし
5いかとアスパラのガーリック炒め
6たこのトマト煮
7カニとレタスの炒めもの
8ホタテとさやいんげんのクリーム煮
9わかさぎの和風マリネ
10白いんげんのカレーサラダ
11ほうれんそうのごまあえ
12豚レバーとごぼうのしょうが煮
13牛レバーの変わりパネソテー
14鶏レバーと小松菜の炒めもの
15揚げ牛肉と白菜の煮もの
16牛肉としいたけのピリ辛ソテー
17豚肩ロース肉のソテーきのこソース
18鶏肉と里芋の炒め煮
19鶏肉のアーモンド揚げ
20ライ麦パンのピザトースト
21たらこスパゲッティ