頁数/仕様
144ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2023年4月
在庫
在庫あり

医師が患者になってわかった! 後悔しない賢い患者術

病気になっても「その人らしく生きる」ことが大切。医師はそのためのパートナーとして存在することを、忘れないでほしい――。二度のがんを患った医師がアドバイス。
著者(肩書) 上野直人《ハワイ大学がんセンター教授、ディレクター》
主な著作 『一流患者と三流患者』(朝日新書)
編集等
税込価格 1,430円   (本体価格:1,300円)
対象 一般
頁数/仕様 144ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2023年4月

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私は日本の大学の医学部を卒業したのち、アメリカの医療を勉強したかったこと、そのなかで自分の専門分野となるものを見つけたかったことから、アメリカで医師になる道を選びました。現在は腫瘍内科医として、アメリカの病院に勤務しています。
腫瘍内科医とは、わかりやすく言えば「がんの専門家」です。これまで、じつに多くのがん患者さんと接してきました。そのなかで、医師と患者のコミュニケーションのあり方というものを考えさせられる機会が数多くありました。医師にとっても、患者にとっても、その方にとって最適な、よい治療にしていくには、やはり互いのコミュニケーションが必要不可欠です。
その「コミュニケーション」を、患者さんの側が上手に進めていくにはどうしたらよいか、どんなことが大切で、何をすべきなのかをまとめたエッセンスが本書です。
じつは私は二度ほどがんを経験した、がんサバイバーでもあります。自分自身が死というものに直面し、がんという病気と向き合った経験から、大きな病気がわかったときの動揺や不安を患者として体験しました。そして改めて、後悔のない治療を受けるには、自分で自分の体のことについて考え、選択し、決定していくことがどれだけ大事かも実感しました。
自分にとってよりよい、後悔しない治療を受けるには、やはり受け身でいてはいけないのです。アメリカの患者さんと比べると、日本の患者さんたちはおしなべて「先生を信用しているのでお任せします」「おっしゃるとおりにします」という方が多いように感じます。
お医者さんに丸投げし、言うことを素直に聞き入れて、質問もしなければ、自分で調べて納得のいく治療を選び取ろうともしない。その結果、不必要な手術や治療を受けてしまったら体はもう元には戻りません。ですから、もっと皆さんには“患者としての能力”を磨いて、患者としての意識やスキルを高めていってほしい。医師である立場からも、患者を経験した身からも、このように強く思っています。
そのためのノウハウをこの本にはギュッと詰めました。皆さんが賢い患者さんになるための一助になれたら幸いです。  (「はじめに」より)

【PART1】患者と医師、両方の立場で見えてきたこと
・病気のこと、きちんと説明できますか?
・「お大事に」でなく「他に質問はない?」
・自分が患者になったからこそ気づいたこと
・患者の不安はどこへ向かうのか
・「どの医療機関を選ぶか」よりも大切なこと
・自分が賢い患者にならないと、名医も一流でなくなる!?
・医師と患者は本来対等な存在
・昔と違い「説明することの大切さ」を医師も心得るようになっている
・患者と医師とでよい医療をつくりあげていく時代に
・「よい医師」選びの5つのポイント
・慢性的疾患が増える年代だからこそ「賢い患者」になろう

【PART2】「自分の体の主人公になる」ための心のもち方
・たったひとつしかないあなたの体に責任をもつ
・「後悔しない患者」になるために
・病名を告げられても焦らない
・病気を自分だけで抱えず周りに働きかける
・緩和ケアについて今から考えておく
・家族の意見に振り回されない
・はやりすたりの情報に惑わされない
・説明上手な患者を目指そう
・「たとえ病気になっても大丈夫」と思える自分に
・治療を始める前に考えておくべきこと
・自分の心と体を見つめなおすシート

【PART3】今日から高めたい「情報を集める力」
・自分にとって必要な情報を集めるには?
・テレビ、インターネット、さまざまな情報から的確に情報を精査するには
・怪しい情報を見分けるコツ
・学術系のサイト「Googleスカラー」「パブメド」
・書籍なら5冊ほど読む
・病気の一般名と医学的な正式名を確認する
・その病気は「何を根拠に」診断しているのかを聞く
・他に考えられる病気はあるかを聞く
・病気が起きている仕組みを確認して調べる
・処方された薬の名前(商品名)と一般名(成分名)を書いてみる
・自分の病歴を記録する
・マイカルテの一例
・待合室で病気友達をつくる

【PART4】よりよい医療を引き出すためのコミュニケーション
・不平不満を言い募る患者はよい医療を引き出せない
・常に「WHY(なぜ?)」を忘れない
・診察室にはメモとペンを必ず持参する
・診察室の会話を録音するのもいい
・医師に尋ねるときは質問リストを作成しておく
・質問をするときの効果的な聞き方
・サプリメントや漢方薬を飲みたいとき
・医師と一緒に治療法を検討する
・その治療は標準治療なのか
・最新医療は必ずしも標準治療ではない
・インフォームド・コンセントは納得のいくまで
・医師と意見が合わないときには
・セカンドオピニオンのコツ