人名事典

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公文俊平

(くもん・しゅんぺい)
 一九三五年高知県生れ。東京大学経済学部卒。米インディアナ大大学院、東大教授を経て、国際大学教授(グローバル・コミュニケーションセンター所長)。

 システム経済学専攻。日本の社会システムの進化を描いた『文明としてのイエ社会』(共著、中央公論社、79年)で八○年度尾高賞。中曾根内閣ではブレーンの一人として情報化社会、教育問題など幅広い分野で活躍。最近は日本はこのままでは情報通信後進国になるとの危惧から発言。『中央公論』(95年12月号)「いま何が問題なのか」では西和彦アスキー社長と連名で「ODNを中核とする情報通信基盤の構築促進こそ、今日の情報通信政策の中心課題である」と提言した。ODNとはインターネットを原型とした双方向、広帯域情報通信ネットワークのこと。氏の懸念は、いまの日本の論議はNTT分割論など電話会社同士の競争、参入問題までの議論で、肝心な新情報通信基盤の具体的あり方をめぐる議論は行われていない。国家百年の大計のなかから情報化論を考えられる数少ない論者。

(データ作成:1999年)