ノノヤマ洋服株式会社 代表取締役 野々山雅博 様

 ノノヤマ洋服様は、愛知県の三河地方を中心に、尾張・知多など県内の高等学校・中学校・小学校・特別支援学校に制服・体操服などを販売されています。常に顧客目線で仕事に臨む姿勢に、お客様からの信頼も厚く、「学生服といえばノノヤマ」という地域ブランドが確立しています。近年では、長くこの地で事業を営んでいることに対する恩返しの一環として、地域の学校に『PHP』を贈呈。制服と『PHP』を通して、生徒たちの健全な成長を願う心についてうかがいました。

体操服一枚でも迅速にお届け

 「言葉よりも行動で示す」――それが信頼を得るための基本だと思います。 当社のお客様は、本社のある豊田市を中心に、北は春日井、西は知多半島、南は豊橋と、愛知県全域にわたります。ご用命があれば、体操服一枚でもすぐお届けに上がります。目先の利益だけを考えれば、非効率なやり方に見えるかもしれません。
 しかし、お客様が急いでいらっしゃるのなら、間に合うよう対応する。お客様が困っていらっしゃるのなら、解決に向けてご提案する。こうした小さな積み重ねが、見えない信用を築いていくのだと思います。 私が3代目の社長に就任してから現在までの約10年間で、お取引をする学校数は倍になりました。「ノノヤマなら対応してくれる」と、お客様から評価された結果だと考えています。

店の都合ではなく、お客様の立場でものを見る

 少子化の波は、ここ愛知県でも深刻です。生徒数が減ることは、当社にとっては売上の減少に直結します。「今まで通り」「去年と同じ」は、それだけで衰退を意味します。常に新しいことをする。変化に対してすぐに対応する。そういった姿勢で臨まないと、生き残ることはできません。
 数年前、本店と支店を改装しました。すると、ほどなくして支店のすぐ近くに大型ショッピングセンター(イオンスタイル豊田)ができることになりました。私は、改装したばかりの支店をイオンスタイルに移転することを決めました。利便性、駐車場の数、ポイント利用など、移転したほうがお客様のメリットが大きくなると思ったからです。
 「かけたコストがムダになる」「今のままでも商売はできる」というのは、こちら側の理屈です。常に「お客様はどうなのか」という視点で見なければなりません。だからこそ、お客様は当社に足を運んでくださるのです。
 2020年11月27日に直営店3店舗目「イオンタウン岡崎美合」の新しい商業施設に出店します。 コンセプトは「ディズニーランドのような学生服屋」を創る。ワクワクドキドキするお祝いに相応しい空間。スタッフがおもてなしの心を持つプロ集団にしたい。

NONOYAMA③ STORE.jpeg

お客様の利便性を考えて出店したイオンスタイル豊田店

制服は絆を深め、生徒の心を成長させる

 学校の制服は何のためにあるのでしょうか。 当社では、それを「絆づくり」と「真の成長」のため、ととらえています。 生徒さんはお一人おひとり顔も違えば、家庭環境も異なります。しかし、同じ服を着ることで、みんなが「仲間」になります。スポーツチームがユニフォームを着用するのと同じく、ユニフォームを着ることで帰属意識が芽生え、チームとしての一体感が生まれます。制服は、生徒さんたちの絆を深める大切なアイテムともいえます。
 もう一つは「真の成長」です。 制服は何のためにあるのか。どのように着るべきものなのか。それらについて考えることを通して、自分と社会との関係を見つめ直し、大人へのステップを一段上がるきっかけになります。 服装には、「フォーマルウェア」と「カジュアルウェア」に加え、「オフィシャルウェア」というものがあります。オフィシャルとは「公式の」「社会的な」という意味で、これが制服です。
 警察官や消防士は制服を着ています。制服を着ることで、誰が見てもひと目で「この人は何をしている人か」がわかります。 学校の制服を着れば、その生徒さんがどの学校に通学しているのか、誰の目にも明らかになります。また、きちんと着こなしていれば「しっかりした学校」という印象を持たれますし、いい加減な着方をしていれば「だらしない学校」と思われるかもしれません。 「身だしなみ」が大切な理由は、ここにあります。自分の好みかどうかではなく、「他人が見て不快に思うかどうか」という視点を持つことが求められるのです。 制服を通して衣服についての健全な考え方を養い、生徒さんの「真の成長」をサポートしたい――それが当社の願いです。

NONOYAMA②-2PRESIDENT.JPG

「生徒さんお一人おひとりの真の成長をサポートしたい」と語る野々山社長様

学校生活の充実を願って『PHP』を贈呈

 地方での経営環境が年々厳しさを増すなか、この地域で事業ができるのは、とても幸せなことだと感じています。その感謝の気持ちを少しでも形にできないかと考え、『PHP』を地域の学校に贈呈することにしました。
 『PHP』には、人に対して思いやりを持つこと、コツコツと努力すること、感謝することなど、毎号よりよい人生観を育ててくれる記事が掲載されています。『PHP』を贈ることで、生徒さんや学校関係者の皆様に、心豊かな人生を歩むきっかけを提供できればうれしく思います。
 『PHP』の考え方は、当社の経営姿勢とも非常に近いものを感じます。私たちはいつも「自分が親だったら」という意識で仕事に向き合うことを大切にしています。もし自分が親だったら、子どもにどんな制服を着せたいか、どのように接客してほしいか、商品をどう扱ってほしいか。それがお一人おひとりのお客様を大切にする仕事につながっていくはずです。 私たちはこれからも、制服を通して生徒の皆さんが豊かで生き生きとした学校生活を送れるよう、誇りをもってこの仕事に取り組んでまいります。


インタビューにご協力くださいました野々山社長様、ありがとうございました。

※企業名、お役職は取材当時のものです。

【会社概要】

社  名  ノノヤマ洋服株式会社

設  立  1964年

業  種  学生服販売

代 表 者  代表取締役 野々山雅博 様

従業員数  37名

所 在 地  愛知県豊田市

U R L  https://www.nonoyama-y.com/

記事作成日:2020年10月26日