佐々成政
発売日
 
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-56861-4

佐々成政
己れの信念に生きた勇将

著者 郡 順史 著
税込価格 792円(本体価格720円)
内容 織田信長に仕え、戦の功績によって北陸の支配者となった知将・佐々成政。後に秀吉と対抗するも降伏、悲劇の最期をとげた武将の生涯。



 秀吉の織田家奪盗は断じて許せぬ!

 成政の純な心が燃え上がった。

 なんとしても家康に逢い、秀吉討伐に立たねばならぬ。それには敵陣の中、越中から真冬の北アルプスを越えて行かねばならない。成政は必死の形相の従臣たちに向かってこう言い放った。 「佐々の存亡はこの一事にかかっている。皆の生命をわしにくれ」と――。

 信長への忠義の念から、秀吉の天下奪取に抵抗し続けた佐々成政。

 武人としての誠実さに殉じた男の生涯を描く書き下ろし歴史小説。

 成政はなぜこれほどまでに秀吉の存在を認めず、憎しと思ったのであろうか。

 それはやはり、互いの出自の相違、往時における両者の関係などに由来するのだろう。

 さらに、忘れてならないのは、成政の信長に対する忠誠心である。

 成政は主君信長に対し、信仰に近いほどの崇敬の念を抱いていた。

 信長亡きあと、その恩義を忘れ我がもの顔に振る舞う秀吉は、憎悪の対象以外の何ものでもなかったのである。

 (本書より抜粋)

 文庫書き下ろし。

 ※2021年9月に価格変更しました