森 蘭丸
発売日
1998年12月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57221-5

森 蘭丸
乱世を駆け抜けた青春

著者 八尋舜右著 《作家》
主な著作 竹中半兵衛』(PHP研究所)
税込価格 922円(本体価格838円)
内容 織田信長の小姓として、優秀な秘書官であった森蘭丸。本能寺で信長と共に果てるまでのわずか17年の数奇な生涯を描く、長篇歴史小説。



 秀でた才知とその美貌で、織田信長の寵愛を一身に集めた、小姓・森蘭丸。彼は、明朗な性格から、織田軍団の諸将にも好感を持たれ、若いながらも着々と出世の階段を登り始めていた。しかし、彼の母である妙向尼は、熱心な一向宗信者であった。当時、信長と一向宗本山である石山本願寺は敵対関係にあり、激しい戦闘を繰り広げている最中であった。天下布武を推し進め一向宗を滅ぼそうとする信長を嫌悪する母・妙向尼。蘭丸は、主君への忠誠と母子の絆という、選ぶに選べない人間関係のあいだで苦悩する。そんな中、彼は、キリシタン大名高山右近の妹・真子に魅かれ、心から愛してしまう。母が異教のキリシタンを許すはずもない。蘭丸はいよいよ、深い葛藤の中にはまって行く……。 戦乱の世の中で、一角の者たらんと精励する若者の姿に、複雑な人間模様をからめ、いくつもの壁に健気に立ち向かう青春像を、見事に描き上げた、著者渾身の傑作長編。待望の文庫化。